2002 Fiscal Year Annual Research Report
Ginsparg-Wilson関係式にもとづく標準模型の非摂動的構成と解析
Project/Area Number |
12640262
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊川 芳夫 名古屋大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20252421)
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Keywords | 格子ゲージ理論 / カイラル対称性 / カイラルフェルミオン / 標準模型 / GINSPARG-WILSON関係式 |
Research Abstract |
本研究は、Ginsparg-Wilson関係式にもとづく格子カイラルゲージ理論の構成と解析を主目的とする。今年度は1.U(1)格子カイラルゲージ理論の(数値計算にも適する)具体的な構成法の開発 2.Ginsparg-Wilson関係式の超対称模型、行列模型への応用に関する研究を押し進めた。 昨年度までの我々の研究によって、5次元格子上のdomain wall fermionを用いた、ゲージ不変なカイラルゲージ理論の構成法が明らかになった。(この結果は今年度8月にベルリンでおこなわれた第19回格子ゲージ理論国際会議(Lattice2001)で発表。Plenary Talk。Lattice 2001,August19-24,Berlin)我々はこの結果をさらに押し進め、Z_N離散部分群にもとづき、数値的な解析に応用可能な可換群カイラルゲージ理論の構成法を開発した。これによって、可換群カイラルゲージ理論における観測量をゲージ不変性を厳密に保って数値的に計算することが可能になった。この結果については、現在、論文を作成中であり、発表の準備を進めている。今後、この方法を2次元カイラルSchwinger模型に適用し、複合masslessフェルミオンの存在可能性を研究する計画である。 SU(2)_L×U(1)_Yカイラルゲージ理論の構成的定義に関しては、昨年度までの我々の研究によって、SU(2)_L×U(1)_Yカイラルゲージ理論における混合ゲージアノマリーの厳密な相殺が証明された。次の段階として、Weylフェルミオンの汎関数測度が大局的に矛盾なく、かつゲージ不変に構成できることの証明が必要になる。これまでに部分的な証明を与えることができたが、まだ、完成にいたっていない。 その他、格子上の超対称性模型や、行列模型にGinsparg-Wilson関係式を応用する研究を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] YOSHIO KIKUKAWA, YOICHI NAKAYAMA: "Nicolai・mapping vs. exact chiral symmetry on the lattice"Phys.Rev. D66 (2002) 094508. 094508 (2002)
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[Publications] Y.KIKUKAWA, H.SUZUKI: "Chiral Anomalies in the reduced model"JHEP. 0209. 032 (2002)