2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
初田 哲男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20192700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国広 悌二 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (20153314)
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Keywords | カイラル対称性 / 量子色力学 / π中間子相関 / カイラル摂動論 |
Research Abstract |
強い相互作用を記述する量子色力学(QCD)が持つ特徴的な性質の一つは、QCD真空におけるカイラル対称性の自発的破れである。この対称性の破れの結果、軽いπ中間子が生じ、ひいては核力や原子核の結合が引き起こされる。この意味で、カイラル対称性(とその自発的破れ)は原子核の安定性にも関係する基本的現象である。今年度は、特に以下の2点について集中的な研究を行い、その成果を発表した。 (1)原子核への2パイオン結合状態の解析。これまで、我々の研究でわかった事は、原子核媒質中で強いπ-π相関が誘導されるという事である。これを最も端的に確認する方法は、原子核を標的とした(d,t)反応や(d,He3)反応で、原子核と2πの束縛状態を作り、その構造を調べる事である。我々は、このような反応がいかなる断面積でおこり、どのようなシグナルが観測されるかについて研究し、断面積は小さいながら、反応閾値付近のスペクトルに特徴的な構造が現れることを示した。 (2)原子核中での、σ中間子とρ中間子の同時ソフト化。これまで、π-π散乱においてあらわれるs波の共鳴であるσ中間子と、P波の共鳴であるρ中間子が媒質中でどのように変化するかについて、その関連を調べた研究はなかった。我々は、N/D法をカイラルモデルに適用して、媒質中でこの2つの共鳴が同時にソフト化すること、それがひとつの関数(ランバート関数)で規定されるユニバーサリティを持つ事を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Hirenzaki: "FORMATION OF SIGMA MESIC NUCLEI IN (D,T) AND (D,HE-3) REACTIONS"Nucl. Phys. A. 710. 131-144 (2002)
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[Publications] K.Yokokawa: "SIMULTANEOUS SOFTENING OF SIGMA AND RHO MESONS ASSOCIATED WITH CHIRAL"Phys. Rev. C. 66. 022201 (2002)
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[Publications] H.Abuki: "STRUCTURAL CHANGE OF COOPER PAIRS AND MOMENTUM DEPENDENT GAP IN COLOR"Phys. Rev. D. 65. 074014 (2002)
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[Publications] N.Yagisawa: "IN-MEDIUM SIGMA0-LAMBDA MIXING IN QCD SUM RULES"Nucl. Phys. A. 699. 665-689 (2002)
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[Publications] T.Hatsuda: "SPECTRAL CHANGE OF HADRONS AND CHIRAL SYMMETRY"Nucl. Phys. A. 698. 243-252 (2002)