2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640291
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高柳 和雄 上智大学, 理工学部, 教授 (30183859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 清孝 上智大学, 理工学部, 教授 (00143363)
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Keywords | 電子間有効相互作用 / 近距離相関 / 量子ドット |
Research Abstract |
今年度は、一般にスピン偏極を持つ2次元電子系における近距離相関の効果を、多重散乱プロセスを足しあげるという方法で、密度およびスピン偏極の関数としての使いやすいSkyrme型の有効相互作用の形であらわすことに成功した。その結果として、s-波に比べて、運動量に依存するp-波の相互作用がスピン偏極の効果を大きく受けることがわかった。この相互作用の三つのパラメータのスピン偏極依存性については、多重散乱のプロセスを詳しく解析することにより説明可能であることを示した。また、この有効相互作用を使った相関エネルギーのスピン偏極依存性は、ほかの方法で計算された系のスピン感受率をほぼ正しく再現することも示せた。 次に、強磁場下での量子ドットの光に対する応答関数を求める前に、無限系に対する応答関数をExtended RPAを用いて計算する手法を確立した。実験で測定された光散乱の応答関数はスピンのチャンネルでは分散関係が二つの停留点(ロトン)を示している。この応答関数はRPAのレベルではまったく実験を説明できないことがわかってきたが、それに対し、Extended RPAの結果は実験事実を定量的に説明することが示せた。Extended RPAの応答関数には、粒子空孔の2次の自己エネルギーがすべて取り込んであるが、その中でも特に重要であるのが梯子型の散乱プロセスであることがわかった。そのようなプロセスを無限次まで取り込んだものが上で求めた有効相互作用なので、Extended RPAでの応答関数にこの有効相互作用を取り込むことを目指した研究を現在行っている。
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Research Products
(1 results)