2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640309
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
浜谷 望 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (70156420)
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Keywords | 分子性結晶 / 圧力誘起アモルファス化 / 圧力誘起分子解離 / アモルファス構造解析 / アモルファス間相転移 / 放射光 / 高圧X線回折 |
Research Abstract |
前年度に確立した、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)と放射光X線による、超高圧力下におけるアモルファス構造解析法を用いて、SnI_4について下記の研究を行った。 1.アモルファス状態内の不連続な構造変化の解析 最初の減圧過程および2度目の加圧過程で観測された、第1ピーク位置の不連続なシフトが分子性アモルファス構造と分子解離アモルファス構造間の相転移であることを、原子スケールで明らかにした。これは、氷の圧力誘起低密度-高密度アモルファス相転移よりも、最近発見された液体リン中の相転移に類似するものである。 2.高温高圧下のアモルファス-結晶相転移 YAGレーザー加熱装置を利用して高温・超高圧を同時発生させ、アモルファスの結晶化過程を調べた。その結果、30-60GPaの圧力範囲で結晶化はセ氏数百度の比較的低温で起き、現れた結晶構造のパターソン関数はアモルファスのそれに非常に類似することが分かった。 3.放射光核共鳴前方散乱によるメスバウアー分光実験 通常の^<119>Sn放射線源では強度不足で測定が出来ないためこの実験を行い、成功した。アモルファス相とそのより高圧側で安定な分子解離結晶相のアイソマーシフトを測定し、2相で大きな差がないことを見出した。 4.ヘリウム静水圧媒体によるアモルファス化の検証 アモルファス化がDAC試料室内の非静水圧性が原因で生じるか否かを検証する目的でこの実験を行い、アモルファス状態の出現を確認した。その変化はずっとシャープかつクリアーに生じるので、アモルファス化過程の原子スケールでの追跡ができるものと期待される。 以上の結果の一部は、8月の第18回高圧力国際会議(北京)および、9月の第11回液体・アモルファス金属国際会議(横浜)、11月の第42回高圧討論会で発表した。
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Research Products
(1 results)