2000 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン電池電極材料のイオン機能のNMRおよびフォノンエコー法による研究
Project/Area Number |
12640316
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金城 辰夫 徳島大学, 工学部, 教授 (50035606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩一 徳島大学, 工学部, 助手 (20284317)
道廣 嘉隆 徳島大学, 工学部, 講師 (00174061)
中林 一朗 徳島大学, 工学部, 教授 (70035624)
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Keywords | リチウム遷移金属酸化物 / イオン導電性 / NMR / スピン・格子緩和時間 / リチウムイオン電池 / ケミカルシフト / 活性化エネルギー / イオン拡散 |
Research Abstract |
研究概要は次の通りである。 1.試料の作製 正極材料として、CuO_4を母骨格とする構造をもつLiCuO_2の粉末試料合成を母原料(Li_2O,LiOH,CuO)の焼成により行い、X線解析によりキャラクタリゼーションを行なった。 2.NMR測定 (1)LiCoO_2およびLiNiO_2に対する測定を継続するとともに、作製したLiCuO_2試料に対して、^7Liの核スピン緩和時間T_1と線幅ΔHの温度依存性を109K〜600Kの温度領域で測定した。 また、室温でMAS-NMRを測定し、ケミカルシフトからLi_2CuO_2との混合相がないことを確かめた。 (2)負極として有望なリチウム合金のうち、提供を受けているLiGa(Li濃度47%と52%)について、^7Li,^<71>GaのNMR測定を77K〜500Kの領域で行なった。 3.結果と考察 (1)LiCuO_2の線幅ΔHの温度依存性において、Li^+イオン運動による線幅の狭まりを解析し、拡散の活性化エネルギーEとして0.19eVを得た。この値はLiCoO_2やLiNiO_2に比べて1/2〜1/3の値であり、電池材料としての可能性があるとの感触を得た。T_1については定量的な議論には至らなかった。 (2)LiGaの^<71>Gaの緩和時間T_1の測定からLi^+イオン拡散の活性化エネルギーとして、47%Li試料について0.16eV、52%試料では0.10eVを得た。 (3)これらの結果について、日本物理学会、固体イオニクス討論会等において5件の報告を行い、また1件の論文を公表した。
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Research Products
(1 results)