2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640321
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤浜 裕一 姫路工業大学, 理学部, 助手 (90202522)
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Keywords | 固体酸素 / 高圧力 / X線回折 / 構造解析 / 相図 / 相転移 / 分子磁性 |
Research Abstract |
[1]低温高圧下における固体酸素の構造相転移と相図の解明 本年度は240-300Kの温度領域で、放射光源を使った角度分散法による粉末X線回折実験を高圧力(0-15GPa)下で行い、結晶構造パラメータの圧力依存性と構造相転移を詳細に調べ、固体酸素の低温高圧相図を確立した。(1)α-δ相境界が8GPaの圧力で240-260Kと予想以上に高温にあること、(2)α-δ相は体積のとびを持たない、所謂二次相転移であること(3)δ相はα相と同じ反強磁性秩序を持つであろうことが明らかになった。(2001年秋の物理学会で発表、一部は論文発表、一部は投稿準備中) [2]金属酸素相の構造解析 金属酸素相の構造はこの相での超伝導の発見以来多くの研究者の注目を集めている。また、金属水素の構造とも重要に関連する。本研究により、固体酸素金属相(ζ相)の構造が空間群:Pc/mをもつ単斜晶で説明できることを突き止めた。この構造は、これまでの分光実験等の結果と矛盾しない。この構造をもとに、酸素の分子磁性や金属化の過程を議論した。(2002年春の物理学会シンポジュウムで発表予定、投稿準備中) [3]単結晶育成と結晶評価および構造解析 1)δ相:9.6GPaで単結晶育成に成功した。X線振動写真により、結晶性の評価と、格子定数の精密決定を行った。また、この結果、X線磁気回折法を使えば酸素分子の持つ磁気モメントの大きさとその秩序配置の決定が可能であることが検証された。 2)ε相:11GPa、13GPaおよび16.5GPaでε相の単結晶を作成し、X線振動写真からかなり結晶性の評価と、格子定数の精密決定を行った。 [4]固体醸景の金屑化と超伝導との関連研究 固体酸素と同じ等核2原子分子性固体である、固体水素の粉末X線回折研究を100GPa付近まで行い構造相転移及び固体酸素との類似性が議論された。(論文発表)超高圧発生法の技術開発を目的に金属チタンのマルチメガバール領域でのX線回折実験を行い、100GPa以上で2つの新しい高圧相転移を発見した。(国際会議と論文で発表)
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Akahama, H.Kawamura et al.: "New δ (Distorted-bcc) Titanium to 220 GPa"Phys. Rev. Lett.. 87・27. 275503-1-275503-4 (2001)
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[Publications] H.Hawamura, Y.Akahama, et al.: "X-ray powder diffraction from solid deuterium"Solid State Communications. 119. 29-32 (2001)
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[Publications] Y.Akahama, H.Kawamura, O.Shimomura: "Structural Phase Transitions of Solid Oxygen at Low-Temperature and High-Pressure"Phys. Rev. B. 64. 054105-1-054105-6 (2001)
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[Publications] Y.Akahama, H.Kawamura: "High-Pressure Infrared Spectroscopy of Solid Oxygen"Phys. Rev. B. 61・13. 8801-8805 (2001)
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[Publications] 赤浜裕一, 川村春樹 他: "メガバール領域でのPtとAu圧力スケールのクロスチェックとBiの状態方程式"高圧力の科学と技術日本高圧力学会誌. 12・1. 63-68 (2002)