2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640348
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新庄 輝也 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重藤 訓志 京都大学, 化学研究所, 学振特別研究員
壬生 攻 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40222327)
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Keywords | 微細加工 / パーマロイドット / ボルデックス / 磁化反転 / メスバウアー効果 / 常磁性 |
Research Abstract |
微小な磁性体の磁気構造およびその動的挙動は基礎物性にとって興味深い研究対象であるとともに応用上の重要性が高まってきている。すなわち磁気記録技術において高密度化を目指すには媒体の磁気的サイズをより小さくする必要があり、熱ゆらぎが発生する領域に近付いている。本研究では、電子ビーム描画装置を用いてサイズ一定で直径が100nmスケールの磁性ドットを作成し、そのスピン構造を解明し、さらにその動的挙動を検討することを試みた。厚さ50nm、直径0.1ないし1μmのパーマロイドットを磁気力顕微鏡で観察した結果、ボルテックススピン構造を形成しており、その中心には垂直方向に磁化されたスポットが存在することがわかった。外部磁場を加えると、垂直方向では約0.4T、面内方向では0.1Tの磁場でスポットの磁化方向の反転が見られる。したがって磁気メモリーとしての安定性はは室温で0.1Tまでは保証できることがわかった。 メスバウアー分光測定による内部磁場の測定は非常に短い観測時間を持ち、早いゆらぎを検知する新しい観測手法と考えられる。直径100nmのパーマロイドットの集合体に対して予備的なメスバウアー測定を行なったところ、内部転換電子測定では強磁性のスペクトルが見られ、ゆらぎの影響は無視できる程度であった。放射光によるメスバウアー測定も試みたが、今回の試料では鉄の含有量が不足しており、明瞭なスペクトルはえられなかった。今後さらに小さな磁性システムについて内部磁場の測定を行い、高速の揺らぎの発生の有無を検討するため同位元素Fe-57の濃縮を行なった試料作成を進めている。
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[Publications] T.Shinjo: "Magnetic Vortex Core Observation in Circular Dots of Permalloy"Science. 289. 930-932 (2000)
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[Publications] K.Shigeto: "Magnetization switching of a magnetic wire with trilayer structure using GMR"J.Appl.Phys.. 88. 6636-6642 (2000)
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[Publications] M.Almokhtar: "Magnetism of Cr in V/Cr multilayers by ^<119>Sn Mossbauer spectroscopy"J.Phys.: Condens.Matter. 12. 9247-9257 (2000)