2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12640378
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉森 明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90260588)
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Keywords | 動的密度汎関数法 / 北原のオメガ展開の方法 / トラッピング拡散モデル / モード結合理論 / 溶媒和ダイナミックス / 混合系 |
Research Abstract |
凝縮系での緩和現象の一般的な性質を明らかにするために、以下の液体・溶液の動的性質を研究した。 1.溶媒の緩和が分布するとき、その幅のダイナミックスを記述する分子論的な方程式を導出した。北原のオメガ展開の方法を単純液体の動的密度汎関数法に応用して、具体的な表式を得た。この式により分布が非平衡な時の密度場の分散を求めることが出来る。これを使えば、溶媒和ダイナミックスにおける、分布の幅の緩和を、分子シミュレーションよりは、簡単に計算することが出来る。 2.過冷却液体・ガラス転移におけるジャンプ速度のべき分布の計算の精密化を行った。昨年度はジャンプ速度の分布がべき乗になる微視的な理論を開発し、モード結合理論を使って、剛体球に対する簡単な計算を行った。今年度は過冷却液体・ガラス転移の文献をまとめると共に、モード結合理論を使った剛体球の計算を数値的に精密化した。より多くの緩和時間について計算を行い、結果を議論した。 3.混合系の溶媒和ダイナミックスを動的密度汎関数法で調べた。レナード・ジョーンズ液体について、励起状態が溶質と強く相互作用するものと相互作用が弱いものと2種類ある時の溶媒和ダイナミックスを考える。様々な混合比について、観測にかかるエネルギーの緩和を数値的に求めた。相互作用と強いものを少し混ぜたところで緩和時間が極端に遅くなるところを見つけた。この緩和時間の増加は2種類の溶媒粒子の交換過程が原因であることを明らかにした。
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[Publications] Akira Yoshimori: "Nonlinear Distribution Dynamics of Solvation"Journal of the Physical Society of Japan. 70(6). 1833-1841 (2001)
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[Publications] Takashi Odagaki et al.: "Localization transition in vitrification process"Physica B. 296. 174-179 (2001)