2002 Fiscal Year Annual Research Report
圧力ジャンプを用いた高分子液体の動的階層構造の研究
Project/Area Number |
12640392
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹中 幹人 京都大学, 工学研究科, 助手 (30222102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 竹治 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026230)
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60127123)
|
Keywords | 圧力ジャンプ / ミクロ相分離 / マクロ相分離 / ブロックコポリマー / 階層構造 / 自己秩序化過程 / 複雑液体 / ポリマーアロイ |
Research Abstract |
研究実績は以下のとおり. 近年、動的に非対称な二成分混合系(高分子準希薄溶液など)においては、濃度揺らぎに伴う応力の空間不均一性により、応力と拡散のカップリングが生じることが明らかにされいる。このカップリングは相分離過程や濃度揺らぎの緩和過程においていわゆる「粘弾性効果」を引き起こす。この粘弾性効果は、高分子溶液のみならず、ゲルやコロイド分散系などの相分離過程にも影響を及ぼすと考えられ、粘弾性効果の解明は複雑液体一般の相転移のダイナミックスの理解へと繋がると考えられる。そこで、本研究では高分子準希薄溶液の一相領域の濃度揺らぎの緩和過程における粘弾性効果を明らかにし、土井・小貫(DO)理論を用いてそのダイナミックスの解析を行った。これにより、粘弾性効果が濃度揺らぎの緩和過程にどのように影響を与えるかを定量的に示すことができる。試料としては、ポリスチレン(PS)/ジオクチルフタレート(DOP)準希薄溶液を用い、濃度揺らぎの緩和過程を動的光散乱法(DLS)で測定を行った。その結果、動的構造因子は単一の指数関数ではなく、大きく分けて速いモードと遅いモードが存在し、粘弾性効果によるモードが表れるのがわかった。そこで、Doi-Onuki理論が、この緩和過程をうまく表すかどうかを、Doi-Onuki理論により動的構造因子を計算して、実験結果と比較することによって調べた。計算結果は測定結果と良い一致を示しており、Doi-Onuki理論がPS/DOP系における一相領域における濃度揺らぎの緩和過程をうまく記述することが分かった。 reference 1.M.Doi and A.Onuki, J.Phys.II France 2, 1631 (1992).
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Mikihito Takenaka et al.: "Time-evolution ot dynamic shear modull in physical gelation process of 1,3 : 2,4bis-O-(p-metylbenzylidene)-D-sorbitol in polystyrene melt : Critical exponent and gel strength"Physical Review E. 65. 41401 (2002)