2000 Fiscal Year Annual Research Report
海色観測衛星データによる大気中黄砂濃度推定手法および黄砂輸送観測
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12640423
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
福島 甫 東海大学, 開発工学部, 教授 (00165276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜野 伊津志 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70142099)
虎谷 充浩 東海大学, 開発工学部, 講師 (90246075)
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Keywords | エアロゾル / エアロソル / Asian dust / SeaWiFS |
Research Abstract |
今年度はまず衛星からの黄砂量推定手法のベースとなる黄砂光学特性のモデル化を行った。ソウル大・Sohn教授より1998年春の黄砂発生時の韓国Anmyon-doにおけるsky-radiometerの観測結果を入手し、それに基づいたモデルを作成した。このモデルを用いた放射伝達シミュレーションを行い、同時期のSeaWiFS衛星データと比べることによりモデルパラメータの調整を行った。443mm帯に比して特に412mm帯での黄砂の吸収係数を大きくとる必要のあることが分かった点は大きな成果である。次に1998年春の黄砂イベント発生時のSeaWiFSデータを用い、中国沿岸〜北太平洋〜北米西岸域(海域のみ)を対象とした1日ごとの黄砂エアロソル指数画像を作成した。また、陸域を対象とした黄砂エアロソル検出法については、予備的な「陸域黄砂エアロソル指数」の算出式を定義し、1998年春の10日間分のSeaWiFSデータより当該期間の1日ごとの黄砂分布画像を作成した。作成した海域黄砂エアロソル指数(Ocean dust veil index,ODVIと略称)および陸域黄砂エアロソル指数(Land dust veil index,LDVIと略称)の分布画像をTOMS/Aerosol Indexおよび鵜野によるダスト輸送シミュレーション結果と比較し、次のような結果を得た。 1.ODVIはTOMS AIよりも低濃度の黄砂エアロソルの検出に適している。但し、エアロソル・雲の反射率の低い所(10%以下)でのみ有効である。 2.LDVIは陸域上はもちろん、海域上でも有効である。また、エアロソル反射率が20%程度以下であれば適用できる。さらにTOMS AIよりも輸送シミュレーション結果との相関が高い。但し陸域では地表被覆によっては相関が極めて悪化する。 これらの成果については、各所で研究発表を行った他、今年度の本研究で得られた成果の応用として、平成12年12月に行われたAPEXエアロソル観測実験(研究代表:東大・中島映至教授)に参加し、ホームページ上で日々の黄砂分布画像を準リアルタイムで公開した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fukushima,H., et al.: "Detection of Asian dust aerosol over land using SeaWiFS data"Proc.of the CEReS Int.Sym.on Remote Sens.of the Atmosphere and Validation of Satellite Data. 55-61 (2001)
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[Publications] Fukushima,H., et al.: "Asian dust : spatial and optical properties as seen by satellite ocean color sensors"Proc.of the 2000 Int.Geosci.And Remote Sensing Sym.(IGARSS 2000). 1616-1618 (2000)
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[Publications] 福島甫,村上篤史 他: "SeaWiFS黄砂エアロソル指数画像・TOMSエアロソル指数画像とNAAPSによるダスト光学厚さ予測図の比較"(社)日本リモートセンシング学会 第29回学術講演会論文集. 279-280 (2000)
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[Publications] 三浦理洋,亀井洋和,福島甫: "SeaWiFSデータを用いた陸上の黄砂検知の試み"(社)日本リモートセンシング学会 第29回学術講演会論文集. 281-282 (2000)
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[Publications] Uno,I., et al.: "Trans-Pacific Yellow Sand transport observed in April 1998: a numerical simulation"Journal of Geophysical Research. (In press). (2001)