2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640431
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長井 嗣信 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60260527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 正樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30242811)
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Keywords | 磁気圏 / サブストーム / 沿磁力線電流 / MHD / ホール電流系 / 磁気圏尾部 / 磁気圏電離圏結合 / リコネクション |
Research Abstract |
磁気圏サブストームの時に起きる磁気圏尾部での磁気リコネクションにおいては、磁気圏尾部の電流層の厚さが、イオン(プロトン)の慣性長より薄くなる。従って、イオンは磁力線からの凍結が解け、一方、電子はまだ磁力線に凍結している状態になる。イオンと電子の結合が解けた状態は、その端的な現象として、ホール電流を形成し、この電流によるホール効果は、磁気リコネクションの効率を高める作用がある。観測的にホール効果がどれだけあるかを検証することは、磁気リコネクションのメカニズムの解明の1つの課題である。この研究では、人工衛星Geotailによる磁場とプラズマの観測から、ホール電流系の構造と電流の強さ(電流密度)に重点をおいて、ホール効果の寄与の研究を行ってきた。磁気リコネクションを子午面内の2次元構造とすれば、4つの電流ループが形成されるはずである。イオンと電子の速度分布関数の解析から、電流に寄与するものは、磁力線に平行と反平行とに流れる電子であることが特定され、電流密度を求めた。また、その電流により作られる磁場の変動を特定した。特筆すべきは、4つの電流ループについて、すべてを検証することができたことである。さらに、このホール電流のループが、どのような構造をしているかについて、解析を進めた。ホール電流ループは、磁気圏尾部のプラズマシートとローブの境界領域に薄い2重層を形成していることがわかった。ここで、粒子コードの磁気リコネクションのシミュレーション結果との比較から、電流層の厚さは、イオンの慣性長程度であることがわかった。次に、ホール電流ループが、どのような空間スケールまで発達できるかについて、解析を進めた。この解析により、磁気圏尾部方向については、20倍の地球半径程度まで発達しうることが示された。これらの研究により、観測的にホール電流系が、確かに磁気リコネクションにおいて形成されることを証明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Nagai, H.J.Singer, T.Mukai, T.Yamamoto, Kokubun: "Dvelopment of substorms in the near-Earth tail"Advances in Space Research. 25. 1651-1662 (2000)
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[Publications] Y.Yamade, M.Fujimoto, N.Yokokawa, M.S.Nakamura: "Field-aligned currents generated in magnetotail reconnection : 3D Hall-MHD simulations"Geophysical Research Letters. 27. 1091-1094 (2000)
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[Publications] N.Yokokawa, M.Fujimoto, Y.Yamade, T.Mukai: "Hall effects on field-aligned current generation in three-dimensional magnetic reconnection"Earth, Planets and Space. 53. 501-507 (2001)
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[Publications] M.Fujimoto, T.Nagai, N.Yokokawa, Y.Yamade, T.Mukai, Y.Saito, S.Kokubun: "Tailward electrons at the lobe-plasma sheet interface detected upon depolarization"Journal of Geophysical Research. 106. 21255-21262 (2001)
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[Publications] T.Nagai, I.Shinohara, M.Fujimoto, M.Hoshino, Y.Saito, S.Machida, T.Mukai: "Geotail observations of the Hall current system : Evidence of magnetic reconnection in the magnetotail"Journal of Geophysical Research. 106. 25929-25949 (2001)
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[Publications] T.Nagai, M.S.Nakamura, I.Shinohara, M.Fujimoto, Y.Saito, T.Mukai: "Counterstreaming ions as evidence of magnetic reconnection in the recovery phase of substorm at the kinetic level"Physics of Plasmas. 9. 3705-3711 (2002)