2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12640432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上出 洋介 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60113099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 智 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10262916)
品川 裕之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00262915)
荻野 竜樹 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00109274)
小島 正宜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70023687)
西谷 望 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10218159)
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Keywords | 太陽風 / 地球磁気圏 / 磁気嵐 / サブストーム / 環電流 / 地磁気変動 / 地磁気指数 / 電離圏 |
Research Abstract |
リアルタイム予報を目指し、太陽風と磁気嵐/サブストーム発生の関係を調べ、本年度は次のサブテーマの研究を行なった。 1.地上磁場の準リアルタイムデータを用いて、電離層電位、電流分布を計算するスキームのテストをした。まず、リアルタイム磁場のデータを世界の磁場観測所チェーンから取り入れるための交渉から始め、ロシア地区以外のほとんどのデータを確保できる見通しをつけた。そして、米国にある国立地球物理データセンターを経由して、当研究所のGEDASシステム(太陽地球環境データ解析システム)に、約40ヶ所の観測所からのデータがほぼリアルタイムで導入できるようになった。 2.当研究所で開発された地上磁場データ逆計算法KRM法とAMIE法を組み合わせ、汎世界的グローバル電位分布と、局所的電位分布を繋げた。これは、磁場観測所の世界分布が非一様なため、そのままKRM法を適用しても、観測所が密な領域の微細構造が鏡像として疎な領域に表れ、非現実的な計算結果しか期待できないことによる。一方、観測所の分布が疎な領域には、経験的電位分布をAMIE法とともに適用し、汎世界的電位分布を推定することに使う。こうして得られた電位値を局所的領域(たとえば、北米)の境界について指定し、その局所領域にKRM法を適用した。これらの2ステップの計算をリアルタイムで行なうアルゴリズムをほぼ完成させた。 3.ACE衛星による太陽風のリアルタイム値を初期値として使い、太陽風/磁気圏MHDモデルを走らせた。得られた電位分布を磁力線に沿って電離層高度に投影し、KRM法から得られている電位分布と比較した。サブストームの成長期では、両者はよい一致を示すが、爆発相ではそれらの差はかなり大きい(最大100%の差異が生じる)。これは、MHDモデルには適切な電離層電気伝導度が考慮されていないためで、KRM法による電位は地上での磁場観測値を使っているので、現実的である。MHDモデルの結果に現実的な補正をする研究を継続して実施している。 4.S-RAMPプロジェクトでは、宇宙天気(大磁気嵐)の予報にも力点をおいている。本研究で得られた基礎知識を、通信総合研究所での宇宙天気予報アルゴリズムに導入するテストも行なっている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kamide, Y.: "Magnetosphere of Earth : Geomagnetic storms and solar wind origins"Encyclopedia of Astronomy and Astrophysics. 1578-1585 (2001)
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[Publications] Kamide, Y., S. Masuda, H. Shirai, H. -J. Kim, T. Ogino, H. Shinagawa, M. Kojima, E. A. Kihn, A. J. Ridley: "The Geospace Environment Data Analysis System"Adv. Space Res.. 26(in press). (2001)
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[Publications] Shue, J. -H., Y. Kamide: "Effects of solar wind density on auroral electrojets"Geophys. Res. Lett.. 28. 2181-2184 (2001)
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[Publications] Kamide, Y.: "Space weather : Japanese perspectives"Space Weather (American Geophysical Union). 59-64 (2001)
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[Publications] Cliver, E. W., Y. Kamide, A. G. Ling, N. Yokoyama: "Semiannual variation of the geomagnetic Dst index : Evidence for a dominant nonstorm component"J. Geophys. Res.. 106. 21297-21304 (2001)
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[Publications] Kamide, Y.: "Geomagnetic storms as a dominant component of space weather : Classic picture and recent issues"Space Storms and Space Weather Hazards (Springer Verlag). 43-77 (2001)