2000 Fiscal Year Annual Research Report
巻貝の異常巻き生成実験と成長解析-進化における発生的制約の役割-
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12640460
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
森田 利仁 千葉県立中央博物館, 自然誌歴史研究部・地学研究科, 研究員 (70200433)
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Keywords | 巻貝 / サザエ / 異常巻き / シミュレーション / C++プログラム / 発生的制約 / 付着物反応 / 飼育 |
Research Abstract |
今年度は、以下の2つの作業に着手した。それぞれの成果を報告する。 2)観察結果と比較する。 その結果を報告する。 1)飼育観察 受精後8〜10月齢のサザエの正常な巻き成長を妨害するシリコン片を付着させ、海水を循環させた水槽にて飼育した。飼育個体は、300個体(うち200個体は前年度から)で、一年で約1巻き成長し、それらは以下のような異常巻き成長を示した。 ・すべての個体で、付着物の迂回は、下方(殻底方向)迂回であり、迂回後再び上方(殻頂方向)に巻き戻るパタンが認められた。 ・ほぼ正常な巻き方に復帰したのち(一部縫合線位置がずれる)、一巻き前の迂回開始地点に再び到達したとき、再度下方に成長する傾向が認められた。 2)プログラム開発 Visual C++にて殻成長解析のために、以下のモデュールを開発した ・殻口面を基準面とし、付加される殻の成長ベクトル場を代表するパラメタを用い、巻貝殻の成長パタンを再現するモデュール ・殻を支える足の付着位置(殻軸筋)、匍匐時の足の背部が殻と接触する位置を指定し、匍匐時(あるいは足を出しての停止時)に、殻を安定に支える姿勢を再現するモデュール ・体層の凹凸(螺肋や棘など)を探知し、殻がオーバーラップする位置を決定するモデュール 次年度以降、これらのモデュールを組み合わせ、実際のサザエの成長をシミュレートし、実験で形成された巻き異常を説明することを試みる。
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