2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640468
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
溝田 忠人 山口大学, 工学部, 教授 (10018666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 惠子 山口大学, 工学部, 教務員 (50253175)
中塚 晃彦 山口大学, 工学部, 助手 (80294651)
中山 則昭 山口大学, 工学部, 授教授 (00164369)
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Keywords | ゼオライト / 水 / 水和熱 / エントロピー / 水和 / 蒸気圧 / LTA / CHA |
Research Abstract |
ゼオライトヒートポンプ(ZHP)の運転サイクルを理想化したゼオライト-H_2O系の熱化学サイクル,即ち,含水ゼオライトの加熱(ゼオライト水の加熱q_H,フレームワーク加熱q_z);脱水エンタルピー(ΔH_d);脱水ゼオライトの冷却(q_<zc>);水蒸気の冷却(q_v);水蒸気の可逆膨張(q_w);水和エンタルピー(ΔH_h)を考慮したサイクルにおいては,次式(1)が成り立たつ. q_H+q_z+ΔH_d+q_<zc>+q_v+q_w+ΔH_h=q_H+ΔH_d+q_v+q_w+ΔH_h=0 (1) 水蒸気圧は,脱水時100kPa,水和時3kPa;ゼオライトフレームワークの加熱冷却エネルギーはq_z=,可逆的と仮定し,サイクルでは加熱・冷却過程で相殺される.ZHPは,完全にサイクル運転が確認された.H_2Oを独立成分と考えて,不明なのは,ゼオライト水の加熱エネルギーq_Hだけである.ΔH_dは測定可能であるが正確な測定は,温度T_hで平衡蒸気圧を調整して行なわなれば得られない.測定例によると373Kのゼオライトの脱水エンタルピーは47-49kJ/mol程度であり,ΔH_d=48kJ/molとする.T_h=373K,ΔH_h=-65kJ/mol.水蒸気の熱容量を31JK^<-1>mol^<-1>の一定とする.水蒸気の可逆膨張エネルギーは,q_w=RTIn(P/P_0)=8.7kJ,(1)式より,q_H+48-31×10^<-3>×(373-298)+8.7-65=0∴q_H=6.0kJ/mol.通常の水の加熱エネルギーは,平均の熱容量を70JK-1mol-1として,70×10^<-3>(373-298)=5.25kJ.従って,ゼオライト水の熱容量は,水の熱容量より大きい平衡蒸気圧の温度変化より,ゼオライト水のエントロピーが極めて小さいことが確かめられた.菱沸石の単結晶の構造解析により,水の位置が推定できた.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] N.Petrova, T.Mizota, Ts.Stanimirova, G.Kirov: "Hydration enthalpy of hydrotalcite low-temperature mataphases"Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. 97. 1-6 (2002)
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[Publications] 溝田忠人: "ゼオライトヒートポンプ"日本エネルギー学会誌. 80(10). 916-923 (2001)
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[Publications] 鈴木正哉, 鈴木真, 前田雅喜, 渡村信治, 溝田忠人: "水和熱測定によるアロフェン・イモゴライトの吸水速度について-低温排熱利用熱交換材及び速乾性乾燥剤としての利用-"J. Cer. Soc. of Japan, 874-881(2001). 109[10]. 874-881 (2001)
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[Publications] 鈴木正哉, 大橋文彦, 犬飼恵一, 前田雅喜, 渡村信治, 溝田忠人: "アロフェン・イモゴライトの水和エンタルピー測定と熱交換材としての評価"J. Cer. Soc. of Japan. 109[8]. 681-685 (2001)
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[Publications] 藤原恵子, 溝田忠人: "A型ゼオライトのMg交換率の向上"資源と素材. 117(11). 743-746 (2001)
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[Publications] 橋口賢治, 中村洋一郎, 藤原恵子, 中山則昭, 溝田忠人: "ヒートポンプ蓄熱材としてのマグネシウム交換A型ゼオライト"資源と素材. 117(11). 875-879 (2001)
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[Publications] 溝田忠人: "ゼオライト-水系ヒートポンプの開発と課題"伝熱. 40[160]. 18-25 (2001)
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[Publications] T.Mizota, N.Petrova, N.Nakayama: "Entropy of zeolitic water"Journal of Thermal Analysis and Calorimetry-(2001). 64. 157-166 (2001)
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[Publications] N.Petrova, T.Mizota, K.Fujiwara: "Hydration heats of zeolites for evaluation of heat exchangers"Journal of Thermal Analysis and Calorimetry. 64. 211-217 (2001)
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[Publications] 溝田忠人: "ゼオライトヒートポンプの開発と可能性"マテリアルインテグレーション. 13(10). 25-30 (2000)
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[Publications] Suzuki, M., Maeda, M., Mizota: "Hydration enthalpies of inorganic porous materials with different structures"Mineralogical Journal. 22[1]. 1-10 (2000)
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[Publications] T.Mizota, N.Satake, K.Fujiwara, N.Nakayama: "Zeolite-Water Heat-Pump System for Effective Use of Waste Heat"Proc. of the 13th IPCWS. 623-630 (2000)