2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640472
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河野 元治 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80224814)
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Keywords | 火砕流堆積物 / 火山灰 / 微生物 / イオン濃集 / 鉱物生成 / バクテリア / 珪酸塩鉱物 / 化学組成 |
Research Abstract |
南九州に分布する火砕流堆績物および火山灰中での微生物によるイオン濃集と鉱物生成について検討した。その結果、これらの堆績物中には球状からロット状の膨大な量(10^7〜10^8cell/g)のバクテリアが生息し、それらの大部分は菌体表面に厚さ<2μmのAl、Si、Feを主体とする非晶質繊維状珪酸塩鉱物を生成していることが明らかとなった。このようなバクテリア起源鉱物の化学組成は、Al/Si=0.6〜1.5、Fe/Si=0.04〜1.4の範囲で変動し、プロトハロイサイトアロフェンからシャモサイトまでの広い分布領域をもつ。バクテリア表面での生成過程による変化は、初期段階でFe含有量が著しく低く、鉱物生成の進行に伴いFe含有量が急激に増加する。これらの結果は、ハクテリア細胞の表面がAl-Si非晶質固相の沈着場(テンプレート)として機能し、鉱物成長の過程でFeの取り込み叉は表面吸着が進行していることを示唆する。Geochemical codeによる間隙水の飽和状態計算では、アモルファスシリカに不飽和、アモルファスAl(OH)_3およびフェリハイドライトに過飽和であることから、Alイオンとバクテリア細胞表面との有機・無機反応がこれらのバクテリア起源鉱物の生成を促進しているものと思われる。
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Research Products
(1 results)