2001 Fiscal Year Annual Research Report
相対性波動方程式を用いたNMR化学シフトの理論的研究
Project/Area Number |
12640482
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
福井 洋之 北見工業大学, 工学部, 教授 (30002041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 雄久 北見工業大学, 工学部, 教務職員 (80261402)
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Keywords | Dirac方程式 / NMR / 化学シフト / 相対論的効果 / DKH変換 |
Research Abstract |
(1)Dirac方程式の解である波動関数は4つの成分からなっている。Dirac方程式を解いて化学シフトに対する相対論的効果を計算する場合、4成分方程式のままで計算する方法と、2成分(大成分)方程式に変換してから計算する方法の2つの方法がある。(2)4成分方程式を解く場合、解の中にはすべての相対論的効果が含まれている。しかし、小成分を基底関数で展開するためには、大成分の展開よりも約2倍の基底関数が必要となり、4成分計算は多大の計算時間を要する。(3)4成分方程式を大成分のみを含む2成分方程式に変換してから計算する方法には、計算量が少なく、かつ、従来のSchrodinger方程式のプログラムがほとんどそのまま使えるという利点がある反面、すべての相対論的効果を完全にとりこむことは非常に困難となる。(4)本研究では、2成分方程式に変換してから計算する方法を採用した。2成分方程式に変換する場合、自由電子に対する変換には厳密解が存在することを利用して、原子核によるクーロンポテンシャルを摂動とみなす、いわゆるDKH変換法を用いた。本研究では、2次のDKH変換を用いる方法、すなわちDK2法によって計算を行った。(5)すべての相対論的効果を完全に含むことは非常に困難である。そこで、本研究では、相対論的効果を含む程度の異なる4つのレベルで計算を行い、4成分の計算結果と比較した。4成分計算との比較によって、2成分方程式に含まれる種々の相対論的効果の重要度を調べた。その結果、化学シフトの計算には、磁気的な項と相対論的質量効果との間の相互作用がもっとも重要であるという結論を得た。(6)研究結果はMol. Phys.で既に発表済みである。
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Research Products
(1 results)