2002 Fiscal Year Annual Research Report
最新ab initio法と組み合わせ可能なポテンシャル内挿法の開発と応用
Project/Area Number |
12640492
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
石田 俊正 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50212890)
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Keywords | ポテンシャル面 / ab initio法 / 反応動力学 / 局所内挿法 / 最小二乗法 |
Research Abstract |
ポテンシャル面は、電子の運動を論じる量子化学と原子核の運動を論じる反応動力学の橋渡しをする重要な役割を果たす。われわれは、エネルギーに関する座標微分を全く使わない方法として、内挿移動最小二乗法(interpolant moving least squares, IMLS)法とShepard内挿法を併用した方法(IMLS/Shepard法)を開発し、いくつかの系に応用してきた。4原子系への応用として、H_2+OH系に適用した。最近、BettensとCollinsの提案しているBayesianの定理に基づいて重み関数を決める方法の有効性も検討した。初期ポテンシャル面として200点を取ったものを用い、ランダムに点をとって、内挿ポテンシャル面上でのエネルギーがH_2+OH漸近値より10kcal/molを超えない点を1,000点ずっ加えていった。重み関数の広がりを表すパラメータを変えて、根平均二乗誤差、平均絶対偏差、誤差の中央値を見積もったが、いずれの場合も、3原子系のO+H_2の場合に比べ、広がりの狭い重み関数がよい結果を与えた。また、Bayesianの定理を用いた場合のほうが用いない場合よりもよい結果が得られた。この結果もO+H_2の場合と異なる。この後者の結果は、O+H_2系が水の生成に対応する深いポテンシャル井戸を持つ特殊な系であり、単純なポテンシャル障壁をもつH_2+OH系の結果が多くの場合に当てはまると考えている。したがって、Bayesianの定理を用いた解析は一般的には有効と考える(投稿準備中)。さらに、韓国の研究所KAISTのYoon Sup Lee教授とab initio計算と結合してLi+H_2系への応用を行った。この方法の特色であるab initio計算において原子核の一に関する微分が不要であることが実際の応用で示すことができた(投稿中)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ishida, G.C.Schatz: "A local interpolation scheme using no derivatives in potential sampling : Application to O(^1D)+H_2 system""J. Comput. Chem.. (印刷中). (2003)
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[Publications] T.Ishida, M.Murakami, G.Watanabe, H.Yoshikawa, S.Nishikiori: "Theoretical Study on Photoinduced Color Change and Charge Transfer of Methylviologen"Internet Electronic J. Mol. Design. 2(1). 14-23 (2003)
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[Publications] H.Yoshikawa, S.Nishikiori, T.Watanabe, T.Ishida 他5名: "Polycyano-polycadmate host clathrates including a methylviologen dication. Syntheses, crystal structures and photo-induced reduction of methylviologen dication"J. Chem. Soc., Dalton Trans.. 2002(9). 1907-1917 (2002)
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[Publications] M.Hirama, T.Ishida, J.Aihara: "Possible Molecular Hydrogen Formation Mediated by the Radical Cations of Anthracene and Pyrene"J. Comput. Chem.. (印刷中). (2003)