2000 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換マイクロ波分光計を用いた短寿命シリコン化合物の検出に関する研究
Project/Area Number |
12640505
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川嶋 良章 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (60131009)
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Keywords | 回転スペクトル / フーリエ変換マイクロ波分光 / 超微細構造 / シリコン化合物 / 置換構造 / 内部回転 / パッカリング |
Research Abstract |
フーリエ変換マイクロは(FTMW)分光計を用いて有機ケイ素化合物の反応中間体として重要な役割を果たしているジメチルシレンを検出する目的でジメチルクロロシランおよびトリメチレンジメチルシランを放電や熱分解した。目的の分子種を検出することができなかったが、その際親分子の強い吸収線が多数観測されたので、FTMW分光計を用いて親分子の回転スペクトルを同位体種を含めて測定し、分子構造および分子内運動に関する知見を得た。同位体分子種^<29>Siと^<30>Siおよび^<13>Cの回転スペクトルを測定し、置換構造を決定した。 スペクトルの解析から、5個の同位体分子種の回転定数と塩素原子のeQqの値を得た。同位体種の回転定数からCl,Si,C原子の座標が求められ、置換構造してrs(Si-Cl)=2.071Å、rs(Si-Cl)=2.071Å、∠ClSiC=108.3°を得た。これらの結合距離は、類似分子の値とよく一致していることが分かった。また、塩素原子の核四重極子結合定数(eQq)の値からSi-Cl軸方向のeQqの成分を求めると-35.84MHzとなり、塩素原子のイオン性は65%と見積もられた。 c-TMDMSiでは四員環中のSi-C結合距離はSi-CH_3の結合距離より約0.03Å長いこと、また四員環中のC-C結合距離は通常の炭素一重結合距離よりも約0.03Å長いこと、さらに四員環中のC Si C面とCCC面との2面角は29.7°であることが分かった。測定されたc-TMDMSiの個々の回転線は6本に分裂していた。この分裂の理由として2個のメチル基の内部回転で分裂した3本が、四員環が等価なメチレン基の炭素原子を軸にしたパッカリング(反転運動)を行ってさらに2本に分裂しているためと考えられる。
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Research Products
(1 results)