2002 Fiscal Year Annual Research Report
シラノールを原料とした超分子および新規骨格シロキサン類の合成
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12640510
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Research Institution | Department of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, Gunma University |
Principal Investigator |
海野 雅史 群馬大学, 工学部, 助教授 (20251126)
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Keywords | ラダーシロキサン / ジアステレオマー分離 / 立体選択的合成 / 環状シラノール / X線構造解析 / NMR特性 / 耐熱性素材 / 高機能素材 |
Research Abstract |
最終年度である本年は、以下の結果を得た。 1.ラダーシロキサンの合成 昨年度に初めて5環式のラダーシロキサンを合成し報告したが、本年度はさらに長いラダーシロキサンの合成に成功した。これまでの方法では、ラダーを伸長するのに適した異性体だけではなく、種々の骨格、立体を持つものが生成してくるため、5環式を越えるものの合成は不可能であった。そこで、新たに成長鎖であるジシロキサンのジアステレオマーを分離しラダーに適した異性体のみを使う方法を計画した。具体的には末端の官能基がシス位となるRS体のみを用い、トランス体となりラダー形成が不可能な異性体は分離し除去した。これにより、目的とするラダー型の化合物が選択性よく得られ、結果として、7環式、9環式のラダーシロキサンを合成することができた(投稿準備中)。また、これまでは出発物である環状シラノールはall-cis体のみを用いていたが、フェニルイソプロピル置換のシクロテトラシロキサンを合成、分離し、立体を保ったまま環状シラノールに導く方法を開発し、これにより、アンチ型のラダー骨格を与えるcis, trans, cis型の(i-Pr(OH)SiO)_4を合成、単離することに成功した。これにより、これまでに報告例がないアンチ型の5環式ラダーシロキサンを初めて合成することができた。これまでに合成したラダーシロキサンのスペクトル、熱的測定をまとめ、環の増加に伴って安定性が増すこと、また、ラダーシロキサンポリマーの指標となるIR、NMRの特徴について示すことができた。 2.超分子合成 本年度も引き続いて、固体状態での脱水反応を検討した。これにより、単純なシラノールについては容易に脱水しシロキサンへ導くことができるようになった。現在さらに、水素結合超分子にも適応できる合成条件を検討している
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Unno, A.Suto, H.Matsumoto: "Pentacyclic Laddersiloxane"J. Am. Chem. Soc. 124. 1574-1575 (2002)
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[Publications] R.Tanaka, S.Kyushin, M.Unno, H.Matsumoto: "Chiral Crystallization of anti-Dodecaisopropyltricyclo-[4.2.0.0^<2,5>]octasilane"Enantiomer. 7. 157-159 (2002)
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[Publications] K.Yamada, M.Unno, K.Kobayashi, H.Oku, H.Yamamura, S.Arai, H.Matsumoto, R.Katakai, M.Kawai: "Stereochemistry of Protected Ornithine Side Chains of Gramicidin S Derivatives : X-ray Crystal Structure of the Bis-Boc-tetra-N-methyl Derivatives of Gramicidin"J. Am. Chem. Soc.. 124. 12684-12688 (2002)