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2000 Fiscal Year Annual Research Report

カルボニル共役π電子系化合物の性質と反応

Research Project

Project/Area Number 12640512
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

長谷川 登志夫  埼玉大学, 理学部, 助教授 (00237976)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 町口 孝久  埼玉大学, 理学部, 教授 (00008864)
Keywordsカルボニル / 共役 / π電子 / トロポン / ベンザイン / Diels-Alder
Research Abstract

カルボニル共役π電子系化合物であるトロポン(1)は,ケトン構造を有する交差共役8π系化合物である。トロポン(1)の環化付加反応に関しては膨大な反応例が報告されており,環化付加反応では他に例を見ない多様な反応様式を示すことが知られている。トロポン(1)の環化付加反応の多様性に対して,その硫黄類以体であるトロポチオン(2)は[8+2]環化付加反応を示すことを報告した。この反応様式の差に疑問をもち,トロポン(1)の[4+2]環化付加の初めての報告例であるとベンザイン(2)との反応について再検討した。本反応について溶媒,反応温度,ならびにベンザインの発生源を変えるなどし検討した。テトラヒドロフラン中すでに報告されているKendeの反応条件で反応させたところ,報告されている[4+2]付加体3が主生成物として得られた。溶媒をTHFからジクロロメタンにかえて反応を検討した。1H NMRスペクトルを用いて反応追跡したところ,反応の初期において,[8+2]付加体4が主生成物として生成していることが判明した。反応の進行にともない,[4+2]付加体3の生成量が増大し,最終的には3が主生成物になることが判明した。また反応時間が長くなることによって構造不明物が増加していくことがみられた。反応条件および分離精製条件を検討することによって[8+2]付加体4を得ることができた。この結果から,トロポン(1)とべンザインの反応経路は従来定説となっていたDiels-Alder反応ではなく,[8+2]環化付加が真の姿であることが判明した。現在,[8+2]付加体4から最終生成物に至る過程について詳細な検討をおこなっている。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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