2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640512
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長谷川 登志夫 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00237976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町口 孝久 埼玉大学, 理学部, 教授 (00008864)
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Keywords | カルボニル / π電子 / NMR / IR / 分子軌道法 |
Research Abstract |
昨年度までに得られたカルボニル共役π電子系化合物の反応についての研究結果の上に立って,カルボニル共役π電子系化合物(トロポン類,ケテン)の付加反応についての反応解析を低温から高温にいたるさまざまな温度におけるスペクトル(NMRおよびIR)の測定によって行なった。さらに,これらの反応における中間体の単離とその構造決定ならびに性質の検討を行なった。反応に影響を最も与えうることが予想される反応濃度,反応時間,ならびに溶媒(の極性)の各条件について詳細に検討した結果,反応過程に介在する中間体の検出に成功した。これらの詳細は反応のモニターに加えて分子軌道法を用いた反応機構についての詳細な検討によってカルボニル共役π電子系化合物(トロポン類,ケテン)の反応過程が明らかになった。 一方,新規に合成したカルボニル共役π電子系化合物の物性について,詳細に溶液と固体状態の両面から物性の検討を串こなった。NMR,IRそしてX線結晶構造解析を用いた検討から,既知の有機化合物との顕著な違いを見い出した。この新規に得られた物性は,今までには見られない固体状態における早い互変異性現象である。
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