2000 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価硫黄の結合特性を利用した大環状化合物の新規合成法の開発
Project/Area Number |
12640525
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松村 昇 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40125274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 一彦 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10109879)
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Keywords | 超原子価硫黄 / テトラアザチアペンタレン / 大環状化合物 / 環拡大 / 分子認識 |
Research Abstract |
5-tert-ブチm-キシレンを原料として6段階で分子内に2個の10-S-3テトラアザチアペンタレン環をもつ新規化合物(1)を合成した。化合物1の超原子価硫黄のアピカルおよびエクアトリアル結合特性を用いて諸種の大環状化合物への変換方法を確立した。1と剛直なp-キシリレンジイソチオシアナートや5-tert-ブチルm-キシリレンジイソチオシアナート類との反応では分子間反応がおこり積層型の大環状化合物(2)が高収率で得られることがわかった。一方、長鎖のエーテル結合をもつジイソチオシアナート類との反応では、選択的に分子内環化反応がおこり分子内に2個のクラウンエーテル部位をもつ大環状化合物(3)が得られた。化合物3をアルカリ加水分解するとC=S^<IV>部位の脱離により環拡大し、チオ尿素部位とエーテル結合鎖を併せもつ大環状化合物(4)がえられた。化合物4はリン酸アニオンレセプターとして有効であり、1:2の錯形成をすることがわかった。また3や4はカチオンに対しすぐれた補足能を有することがわかった。化合物4はアニオンやカチオンいずれにも分子認識能を示す極めて珍しい性質があることがわかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Matsumura,T.Konishi,H.Hayashi,M.Yasui,F.Iwasaki,K.Mizuno: "Synthesis of Novel Macrocyclic Compounds Utilizing Characteristic Bonding Properties of Hypervalent Sulfur"Heterocycles. 53・6. 1239-1245 (2000)