2000 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシナイトライトによる生体関連化合物のニトロ化と生体内ニトロ化機構の研究
Project/Area Number |
12640576
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 仁美 関西学院大学, 理学部, 教授 (50025342)
|
Keywords | ペルオキシナイトライト / ニトロ化 / ヒドロキシル化 / 芳香族化合物 / 反応機構 |
Research Abstract |
ペルオキシナイトライト(ONOO^-)の生体関連物質に対する反応性を体系的に調べるため、一連の置換フェノール、N,N-ジメチルアニリン、スチルベンに代表される中性オレフィン、ジフェニルアセチレンに代表される中性アセチレンを基質に選んで、pH7のりん酸緩衝液およびアセトニトリル中の種々の条件下において、アジ化ナトリウムのオゾン酸化で発生させたペルオキシナイトライトと反応させ、その生成物分布を検討した。 フェノールの場合にはニトロ化とヒドロキシル化が主として起こり、キノンやシクロヘキサジエノンなどの酸化生成物があい伴って生じたが、核置換生成物の置換パタンは通常の求電子置換反応の特徴を示している。N,N-ジメチルアニリンの場合には、脱メチル反応が認められ、ニトロソニウムイオンの関与が示唆された。スチルベンからはベンジル、エポキシド、ベンンズアルデヒドなどの酸化物を中心に、少量の環ニトロ化物が得られた。炭素鎖の開裂機構は現在のところ不明であるが、エポキシド、ジオール、ケトールなどを経由していないことは確かとみられ、興味深い知見である。ジフェニルアセチレンはベンジルおよび少量の環ニトロ化合物を与えた。興味深いことに、後者のニトロ化物ではオルトおよびメタ異性体のみが生じているが、現在のところ理由は判らない。相対反応性はオレフィンのほうがアセチレンよりもやや大きいことが分った。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] N.Nonoyama,M.Iwaya,H.Suzuki: "Mechanistic Duality of the Side-chain Substitution in Electrophilic Aromatic Nitration. Unexpected Large Difference in Deuterium Isotope Effect k_H/k_D between the Side-chain Nitration and Nitrooxylation of Deuterated p-Xylenes"Tetrahedron Lett.. 41・2. 229-233 (2000)
-
[Publications] T.F.Dorsey,B.W.Penman,H.Suzuki,T.Enya,A.L.Lafleur: "Mutagenic Activity of Nitrobenzanthrone Isomers in hlAlv2 and MCL-5 Human Lymphoblast Cells"Mutation Research. (in press). (2000)