2000 Fiscal Year Annual Research Report
逆相液体クロマトグラフィー系における物質移動現象の速度論的解析
Project/Area Number |
12640581
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宮部 寛志 富山大学, 教育学部, 助教授 (10281015)
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Keywords | 逆相液体クロマトグラフィー / 物質移動 / 速度論 / 保持平衡 / 表面拡散 / 分離機構 / 表面修飾 / 分子拡散 |
Research Abstract |
1.アルキル鎖の修飾条件(アルキル鎖長(C_1、C_4、C_<18>)や修飾率(炭素含有量:6.6〜17.1%))を変化させた表面修飾シリカゲルを固定相、メタノール/水(70/30,v/v)混合溶液を移動相として使用する逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)系におけるアルキルベンゼン誘導体(試料物質)の保持挙動および物質移動に関する基礎的研究を行った。その結果、(1)吸着平衡定数、等量吸着熱と表面拡散の活性化エネルギーは固定相の炭素含有量の増加と共に増大するが、炭素含有量約10%程度以上ではその傾きは減少し、試料物質毎にほぼ一定値に漸近した。(2)表面拡散係数は逆に炭素含有量の増加と共に低減したが、その減少傾向は同様に炭素含有量の増加と共に緩やかになった。これらの結果から、固定相表面修飾アルキル鎖の一部分のみが試料物質の保持や表面拡散に寄与しているものと推定された。(3)アルキル鎖の修飾条件によらず、固定相粒子内での物質移動に対して表面拡散が重要な役割を果たしていること、および表面拡散についてエンタルピー-エントロピー補償効果を確認した。 2.炭素含有量17.1%の一般的なC_<18>-シリカゲルを用いるRPLC系におけるアルキルベンゼンおよびp-アルキルフェノール誘導体の表面拡散現象を解析した。表面拡散係数と分子拡散係数との間に関連性があることを実験的に確認した。表面拡散を吸着相互作用により分子拡散が制限された現象と見なし、「表面-制限分子拡散モデル」を提案した。このモデルの基づき実測値を解析し、その妥当性を明らかにした。 3.上記2と同じ固定相を用い、移動相としてテトラヒドロフラン/水混合溶媒を用いるRPLC系の吸着特性を保持挙動および物質移動(主に、表面拡散)の点から解析した。移動相として、メタノール/水やアセトニトリル/水混合溶媒を用いるより一般的なRPLC系の場合と実験結果を比較した。
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Research Products
(1 results)