2003 Fiscal Year Annual Research Report
逆相液体クロマトグラフィー系における物質移動現象の速度論的解析
Project/Area Number |
12640581
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮部 寛志 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (10281015)
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Keywords | 逆相液体クロマトグラフィー / 物質移動 / 速度論 / 保持平衡 / 表面拡散 / 分離機構 / カーボングラファイト系固定相 / モーメント解析式 |
Research Abstract |
1.多孔性グラファイトカーボンを固定相、メタノール/水(70/30,v/v)混合溶液を移動相として使用する逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)系におけるアルキルベンゼン同族体およびナフタレン(試料物質)の保持挙動および物質移動に関する基礎的研究を行い、固定相としてC18-シリカゲルを用いる場合と比較した。その結果、(1)アルキルベンゼン同族体を試料物質とする場合、吸着平衡定数と等量吸着熱は、C18-シリカゲルを用いる場合に比べて大きな値を示した。逆に、表面拡散係数と表面拡散の活性化エネルギーは同程度あるいは小さな値であった。(2)ベンゼン縮合環系の化合物(ナフタレン)を試料物質とする場合、その保持強度はC18-シリカゲルの場合に比べて顕著に大きかった。これは疎水性相互作用に加えて、多孔性グラファイトカーボン固定相と試料物質間にπ-π電子間相互作用などが存在するためと考えられる。ナフタレンより大きなベンゼン縮合環系物質では保持強度が大きすぎるため、クロマトグラフィー法による吸着挙動の検討はできなかった。 2.連続多孔体(モノリス)固定相充填カラム内における試料物質の保持挙動や物質移動現象を解析するため、昨年度は連続多孔体固定相を充填したモノリスカラムに対する新規モーメント式を開発した。本年度はこの新規モーメント式を利用してC18-シリカモノリスカラム内におけるクロマトグラフィー挙動を解析した。その結果、表面拡散は固定相内での物質移動に重要な役割を果たしていた。表面拡散係数の値は10^<-7>cm^2s^<-1>のオーダーであり、試料物質の保持強度の増加と共に減少した。今回使用した孔径2μmのマクロ孔を有するモノリスカラムの相当粒子径は約4μmと推定された。これらの解析の結果、新規モーメント式の妥当性を確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyabe, K., Cavazzini, A., Gritti, F., Kele, M., Guiochon, G.: "Moment Analysis of Mass Transfer Kinetics in C_<18>-Silica Monolithic Columns"Anal.Chem.. 75. 6975-6986 (2003)
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[Publications] Miyabe._K., Sakai, Y., Sarashina, M., Yokokawa, C.: "Moment Analysis of Retention Equilibrium, Mass Transfer Kinetics, and Thermodynamic Properties in Reversed-Phase Liquid Chromatography Using Phenyl Bonded Silica Gel"Analyst. 128. 1425-1433 (2003)
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[Publications] Miyabe, K., Guiochon, G.: "Measurement of the Parameter of the Mass Transfer Kinetics in High Performance Liquid Chromatography"J.Sep.Sci.. 26. 155-173 (2003)
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[Publications] Miyabe._K., Guiochon, G.: "Comparison of the Characteristics of Adsorption Equilibrium and Surface Diffusion in Liquid-Solid and Gas-Solid Adsorption on C_<18>-Silica Gels"J.Phys.Chem.B. (In press).