2000 Fiscal Year Annual Research Report
フローインジェクション分析に利用する脚立型濃縮分離電極の開発
Project/Area Number |
12640593
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡辺 邦洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40084470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 昌幸 東京理科大学, 理工学部, 講師 (90266908)
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Keywords | 脚立型電極 / 分離濃縮 / フローインジェクション分析 / 鉛 / 亜鉛 |
Research Abstract |
フローインジェクション分析(FIA)において多成分の同時分析は困難であり,pptレベルの微量成分分析は濃縮操作を必要とする.本研究は濃縮と分離を同時に達成できる脚立型電極の開発を目的としており,FIAの可能性を大きく拡大することを期待している.その原理は電解クロマトグラフィーまたは電解カラムに類似しているが,それらは分離法としてまた濃縮法としてFIAに導入することは困難である.本研究では液抵抗を利用し電位勾配を与え,電着電位の異なるイオンを電極のそれぞれの部位に濃縮する. 12年度は脚立型電極の試作を行った.初めに電位勾配を利用する選択的分離濃縮が可能かどうか検討した.対象とした金属イオンは鉛(II)と亜鉛(II)である.また検出はピリジルアゾレソルシノール(PAR)を用い吸光定量した.濃縮効率や分離の可能性を確認するために,電着部位を2つに分け,それぞれの電位を異なるように設定した.逆電位をかけ溶出したのち吸光検出するために電着部位の間にバイパスの流路を挿入し,2つの電着部位に電着したものが,検出時に混合しないようにした.このことによって液抵抗の差を利用して選択的に濃縮分離できることが明らかになった.現在は脚立型電極の1段めについて基礎的データが得られた.13年度は濃縮部位を数カ所に増やし,成分数を3成分にして試みる.
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