2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640636
|
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 悦雄 姫路工業大学, 理学部, 助手 (80212299)
|
Keywords | 花粉管 / 精核 / ミオシン / 花粉管核 / アクチン |
Research Abstract |
高等植物花粉管内の精核は、アクチン-ミオシン系によって輸送されていると考えられている。本研究は輸送に関わるミオシンを同定することを目的とする。まず、核輸送におけるミオシンの関与を、ミオシン阻害剤である2、3ジメチルモノキシム(BDM)を用いて調べた。30から50mM BDMによって原形質流動が停止するとともに、花粉管核、精核の輸送も阻害された。流動、核輸送はBDMを除くことによってある程度回復した。BDM処理した花粉管内のアクチン繊維の状態を、ローダミン-ファロイジン染色によって調べたところ、わずかにアクチン繊維の構築にみだれが認められただけであった。このことは、BDMによる核輸送の阻害は、ミオシン阻害によって引き起こされたと考えられる。おもしろいことに、BDM処理することによって、花粉管核の形態が変化した。この現象はアクチン繊維の脱重合剤であるサイトカラシンDによっても引き起こされた。このような薬理学的研究と平行して、核輸送を担うミオシンの単離を試みた。テッポウユリ花粉管より調製した粗抽出画分に、ニワトリ胸筋から調製したF-アクチンを加え、アクチンに結合した成分をATPによって溶出させた。これをハイドロキシルアパタイトカラムにより、さらに分画を行った。その結果、原形質流動に関与する170-kDaミオシンを含まない分画中にも、運動活性が検出され、F-アクチンを滑走させる速度は、170-kDaミオシンのそれと比較してかなり小さいものであった。現在この分画から、ミオシンの精製を進めているところである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Etsuo Yokota: "Identification and characterization of higher plant myosins responsible for cytoplasmic streaming."Journal of Plant Research. 113. 511-519 (2000)
-
[Publications] Teruo Shimmen: "Plant myosins"Protoplasma. 214. 1-10 (2000)
-
[Publications] Etsuo Yokota: "Actin cytoskeleton is responsible for the change of cytoplasmic organization in root hair cells induced by a protein phosphatase inhibitor, calyculin A."Protoplasma. 213. 184-193 (2000)
-
[Publications] Motoki Tominaga: "Mechanism of inhibition of cytoplasmic streaming by a myosin inhibitor 2,3-butanedione monoxime."Protoplasma. 213. 46-54 (2000)
-
[Publications] Takeshi Sakamoto: "Direct observation of processive movement by individual myosin V molecules."Biochemical and Biophysical Research Communications. 272. 586-590 (2000)
-
[Publications] Etsuo Yokota: "Possible involvement of protein phosphorylation in the regulation of cytoplasmic organization and streaming in root hair cells as revealed by a protein phosphatase inhibitor, calyculin A."Protoplasma. 211. 29-38 (2000)