2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640640
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
川上 直人 明治大学, 農学部, 助教授 (10211179)
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Keywords | 種子 / 温度 / 高温耐性発芽 / 休眠 / 種皮 / シロイヌナズナ / 突然変異 / 遺伝子 |
Research Abstract |
1.遺伝様式と発芽:シロイヌナズナのT-DNAタグラインから選抜した高温耐性発芽突然変異系統、TRW13-1とTRW71-1の高温耐性発芽形質は、いずれも1遺伝子の劣性変異によることを明らかにした。両系統とも、T-DNAの挿入は変異形質と連鎖していないことを示した。両変異体の種子は、完熟時に常温(22℃)で97%以上の高い発芽率を示し、休眠性が低下していることを明らかにした。また、両変異体の種子は22℃から34℃の間で、いずれの温度においても野生型より高い発芽速度および発芽率を示すことを明らかにした。 2.黄土色の種子を生じるTRW71-1について:TRW71-1の高温耐性発芽形質と黄土色の種子色形質は強く連鎖していることを明らかにした。また、F_1種子発芽の温度反応は母親の遺伝型により決定されることから、TRW71-1の高温耐性発芽は種皮によりもたらされることを明らかにした。TRW71-1と同様に黄土色の種子を生じるtt7-1の種子は高温耐性発芽を示した。相補性検定により、TRW71-1はtt7遺伝子座の新たな対立遺伝子であることを明らかにした。 3.発芽の温度反応と種皮:種皮色の変異体、tt2、tt4、tt5、tt6は高温で発芽するが、ttl、tt3、tt9、tt10およびttg1は高温阻害を受けることを見出した。この結果は、フラボノイド合成系の代謝産物が発芽の温度反応に関与する可能性を示唆している。 4.新たな高温耐性発芽変異体の単離:未選抜のT-DNAタグライン10,000系統から、高温(32℃)で発芽する突然変異系統を新たに3系統単離した。
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