2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640640
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
川上 直人 明治大学, 農学部, 助教授 (10211179)
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Keywords | 種子 / 発芽 / 休眠 / 温度 / アブシジン酸 / 突然変異 |
Research Abstract |
1.発芽の温度反応性と休眠 これまでに20,000系統のT-DNAタグラインから、32℃でも発芽できる、5系統(TRW13-1,TRW71-1,TRW124-4,TRW134-15,TRW187)の高温耐性発芽変異体を得ている。TRW124-4を除く4系統では、野生型に比べて休眠性が大きく低下しており、種子の温度反応性は休眠と深く関わることが明らかとなった。TRW13-1の高温耐性発芽は劣性1遺伝子の変異によることから、正常な遺伝子は高温条件での発芽抑制とともに、休眠性の低下(後熟)を抑制的に制御する働きを持つと考えられる。 2.発芽の温度反応とアブシジン酸 発芽におけるアブシジン酸感受性を調べ,TRW187のみがABA低感受性であることを明らかにした。既知のABA欠損変異体であるaba1-1およびABA非感受性変異体であるabi3-1種子の温度反応性を調べたところ、いずれも高温耐性発芽形質を示した。さらに、野生型種子にABA生合成阻害剤であるフルリドンを与えたところ、発芽の高温阻害が緩和された。したがって、温度による種子発芽調節機構にアブシジン酸が重要な役割を持つと考えられる。 3.trg1遺伝子座のマッピング TRW13-1とコロンビア生態型との交配により得られたF_2世代を用いた解析から、変異は1番染色体の下腕、SSLPマーカーのnga280とnga111の間に座乗することを明らかにした。この領域には発芽に関わるような遺伝子座がマップされていないことから、変異遺伝子をtrg1(temperature resistant germination1)と名付けた。CAPSマーカーを利用した詳細な解析から、trg1は14G4とKNAT2の間、約1Mbの範囲内に座乗することを明らかにした。
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