2001 Fiscal Year Annual Research Report
カイコガ成虫の夏型ホルモン活性物質の一次構造と生産細胞の決定
Project/Area Number |
12640662
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
遠藤 克彦 山口大学, 理学部, 教授 (70089845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 明 山口大学, 理学部, 助手 (20274152)
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Keywords | チョウの季節型 / 夏型ホルモン / 精製・単離 / 一時構造の解析 / 生物検定法の確立 / アゲハチョウ / カイコガ / 脳・食道下神経節 |
Research Abstract |
1、これまで・夏型ホルモン活性物質の部分精製にSephadex G-50カラムを使用し、活性物質の分子量が4,500と推定されていた。今回、Superrose-12カラムの導入によって、精製過程における回収率が約20%向上したが、その分子量が12,000である可能性がでてきた。しかし、カラムの導入と同時に活性物質を抽出・部分精製法が改良されており、活性分子が2量体を形成している可能性もある。 2、現在、約20,000個のカイコガ成虫の脳-食道下神経節複合体を集め、精製の準備をしているが、生物検定に供する十分な蛹がないために、精製の中途で実験が留まっている。 3、アゲハチョウでは、蛹の休眠と季節型の発現が密接に結びついて光周調節されている。夏型成虫の羽化には、蛹初期に脳から夏型ホルモンが本分泌されることが必要であり、冷蔵によって休眠が覚醒した休眠蛹に夏型ホルモン活性物質を投与し、羽化した成虫の翅のパターンによって、夏型ホルモン活性を定量が可能になった。アゲハチョウの休眠蛹は冷蔵庫内での保存が可能であり、これまで夏型ホルモン活性の定量不可能であった冬期や春期にも活性の定量が可能となった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ito T, Yamanaka A, Tanaka H, watanabe M, Endo K: "Evidence for the presence of the summer-morph-producing hormone in the swallowtail butterfly, Papilio xuthus L, (Lepidoptera : Papilionidae)."Zoologocal Science. 18. 1117-1122 (2001)
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[Publications] 渡辺雅夫, 横山友樹, 山中 明, 遠藤克彦: "山口県美弥郡美東町台山(山口県営育成牧場)の蛾類"山口生物. 27. 39-56 (2001)
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[Publications] Muranaka K, Yamanaka A, Tanaka H, shahjahan R.M, Endo K.: "Effects of juvenile hormone-I and adult brain-suboesophageal ganglion extracts on ovarain maturation of reproductive diapausing females of Polygonia c-aureum"Asian Information. 1(in press). (2002)
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[Publications] Tanaka H, Yamanaka A, Endo K: "Spacing Pattern and sett utilization of the Japanese Badger, Meles meles anakuma."Mannmal Study. 27(in press). (2002)
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[Publications] 遠藤克彦: "チョウの生物学(第6章 成長・発育(変態)のホルモン調節)"東京大学出版(本田計一・加藤義臣編)(in press). 10 (2002)