2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640665
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
飯田 弘 九州大学, 農学研究科, 助教授 (70150399)
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Keywords | 先体反応 / シンタキシン / 精子 / 膜融合 / Rab6 / 先体形成 |
Research Abstract |
先体は精子頭部に存在する小胞状構造物で、その中に種々の酵素を含む。精子は卵に達すると、卵を包む透明帯に接触することによって先体反応を起こす。先体反応は、精子形質膜と先体外膜の膜融合によって起きる。本研究では、まず神経終末のシナプス小胞のエキソサイトーシスに関わる分子であるシンタキシンに注目した。シンタキシン分子群の内、シンタキシン2がラット精巣に高発現していることをRT-PCR解析によって見出した。シンタキシン2に対する抗体を作製し、イムノブロット法、密度勾配分画法、免疫組織化学的方法を用いて検討した結果、シンタキシン2が哺乳類精子の先体領域に局在することが判明した。さらに、先体反応を起こした精子では、シンタキシン2が消失することも明らかとなった。これらの結果から、シンタキシン2が精子先体反応に係わることが推足された。また、低分子量G蛋白質Rab6の先体における局在を、分離した精子細胞において分析した所、Rab6は成熟精子の先体には存在しないが、形成途中の先体には結合していることが判明した。ゆえに、Rab6は先体反応には関与しないが、先体形成に何らかの役割を果たしている可能性があると思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Katafuchi K, et al.: "Localization of a syntaxin isoform, syntaxin2, to the acrosomal region of rodent spermatozoa"Molecular Reproduction and Development. 57. 375-383 (2000)
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[Publications] Iida H, et al.: "Spermatid-spocific expression of Ibal, an ionized calcium-binding adapter molecule-1, in rat testis"Biology of Reproduction. 64. 1138-1146 (2001)
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[Publications] Kaneko T, et al.: "Spermatozoa undergo the acrosome reaction and selectively kill cells in penetrating the cumulus cophorus in the Shrew, Suncus murinus"Biology of Reproduction. 65. 544-553 (2001)
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[Publications] Mitsutake S, et al.: "Purification, characterization, moleculer cloning and subcellular distribution of neutral ceramidasc of rat kidney"Journal of Biological Chemistry. 276. 26249-26259 (2001)
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[Publications] 飯田弘: "ディファランシャルディスプレイ法による精子形成に関わる遺伝子の分離"比較生理生化学. 18. 43-46 (2001)