2000 Fiscal Year Annual Research Report
移動する物体に対するカエル網膜視蓋投射地図上の動的神経活動の多点同時記録
Project/Area Number |
12640667
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 修文 九州工業大学, 生命体工学研究科, 教授 (80029545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀樹 九州工業大学, 生命体工学研究科, 助教授 (80212083)
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Keywords | 視蓋 / 多点同時記録 / 網膜神経節細胞 / カエル / ルーミング刺激 / 受容野 / 視覚情報処理 |
Research Abstract |
5行5列の多点電極列をカエルの視蓋に刺入することで、同時に15ヵ所からのスパイク活動を記録するためのセットアップを構築し、その後、オフラインでスパイク活動の解析を行うための手順を確立した。この方法を用いることで、カエルの右眼に、コンピュータグラフィックスを用いて、様々な速度、距離、大きさの条件で近づいてくる物体の網膜像をシミュレートしたルーミング刺激や網膜上を等速度で拡大する視覚刺激を与えた時の左側視蓋の複数の場所でのスパイク活動を同時記録することができた。その結果、これまでに以下の知見を得ることができた。 1、これまでは、不可能とされてきた、多点電極列の空間的に高解像度の段階的刺入を可能にした。これにより、わずか300μmの範囲内の異なる層に投射している異なる応答特性を持つ網膜神経節細胞の活動を1回の刺入で記録することが可能になった。 2、ルーミング刺激に対する網膜神経節細胞の活動様式は、刺激がその受容野中心から提示される時とその他の領域から提示される時では、明らかに異なることが分かった。前者に対しては、刺激提示開始直後から持続時間の非常に長い活動が誘発され、像の急激な拡大以前に活動が停止するのに対して、後者では、急激な拡大の最中に一過性の応答が誘発される。一方、等速刺激に対する網膜神経節細胞の応答は、刺激の開始位置による大きな違いは認められなかった。 3、これまで、ルーミング刺激による逃避行動の発現には関与していないと考えられていた網膜神経節細胞R1/2が受容野中心から提示されたルーミング刺激に対して活発なスパイク応答を示すことが分かった。 4、電極列を400μm以上に深く刺入すると、視蓋神経細胞のスパイク活動を記録することができた。これらの中には、網膜神経節細胞のそれとは明らかに異なる、様々な応答特性も発見されている。
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[Publications] Hideki Nakagawa: "Current source density analysis of ON/OFF channels in the frog optic tectum"Progress in NEUROBIOLOGY. 61(1). 1-44 (2000)
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[Publications] Hideki Nakagawa: "Morphological correlates of principal components of current source density profile in the optic tectum"Zoological Science. 17(Supp.). 118 (2000)
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[Publications] Hideki Nakagawa: "The behavioral mechanism underlying velocity change of the frog escape behavior depending on the Spatiotemporal pattern of expansion of a retinal image"Comparative Biochemistry and Physiology Part A. 127. 371 (2000)
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[Publications] Hideki Nakagawa: "ON and OFF channels of the frog optic tectum revealed by current source density analysis"Journal of Neurophysiology. 80. 1886-1899 (1998)