2001 Fiscal Year Annual Research Report
核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション法による藍藻類付着細菌の解明
Project/Area Number |
12640692
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
冨岡 典子 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 主任研究員 (40168399)
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Keywords | FISH / DGGE / クローン解析 / 富栄養湖 / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
藍藻類の異常増殖機構については、これまでに多くの研究が成されてきたが、現在まで発生の予測は可能となっておらず、遊離細菌、付着細菌を含む微生物生態系全体についての研究が必要となっている。しかしながら、細菌群集、特に藍藻類に付着した細菌の挙動については技術的困難さからこれまで殆ど研究が行われてこなかった。本研究は、近年発達してきた分子生物学的手法、特に環境中の細菌相を直接検出できる核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション(FISH)法を用いて、藍藻類に付着している細菌群集について検討を行い、アオコの発生、衰退を微生物生態系の変動の中で評価し、アオコの発生予測、生態系制御に資することを目的として行った。今年度は、昨年度に行った16S-rRNA遺伝子に基づいたDGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)法による細菌群集構造の変化についての検討結果に基づいて、霞ケ浦湖水中で特徴的挙動をするActinobacteriaに属する特定の微生物についてのFISHに使用するプローブHGC 962rの配列を決定し、FISHの条件検討に用いる細菌の単離を試みた。その結果、HGC 962rプライマーにより、2コロニーについてPCRによる増幅が認められ、この2コロニーから取得した菌株Strain K1及びStrain K63について16SrRNA遺伝子のシークエンスを行い,バンド23のシークエンスを持つClone AUG61との系統解析を行った。しかしながら、この2菌株に由来する16S rRNAはProteobacteria γ subdivisionに近縁であり、バンド23由来のもの(Clone AUG61)と一致せず、HGC 962rの選択性に問題がある事が明らかとなった。また、これらと平行して、湖水中の細菌群集のパラホルムアルデヒドによる固定条件、FISHの条件検討を行うと共に、Chlorophyll aに妨害されない色素の選択を行った。
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