2000 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型強誘電体における表面緩和とサイズ効果
Project/Area Number |
12650011
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石川 賢司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久男 静岡大学, 工学部, 助教授 (70154573)
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Keywords | 強誘電体 / サイズ効果 / ナノ結晶 / 相転移温度 / 表面緩和 / BaTiO_3 / PbTiO_3 / SrTiO_3 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型強誘電体微粒子の相転移温度が粒子サイズに依存することはよく知られている.われわれは,このようなサイズ効果が結晶表面における格子の緩和現象と深く関係すると考えて,PbTiO_3,BaTiO_3およびSrTiO_3微粒子における格子緩和の深さとサイズ効果との関連を研究している. 本年度は, (1)粒径19nmから350nmのBaTiO_3についてTEM観察を行うことにより,これまでX線回折により求めた平均粒径で議論してきたサイズ効果を,個々の粒子について確認し,結果をPhysical Review誌に発表した. (2)表面における格子緩和の発生原因を明らかにするため,原子数25から100個までのBaTiO_3クラスターについて,第一原理計算により各イオンの周りの電子分布を計算した.その結果,バルクでは共有性の強かったTiとO間の結合がクラスターではイオン性の強いものに変わることが分かった.これが原因となって,BaとTi間の反発力が強まるためにイオン間距離が増大するのではないかとわれわれは考えている.この結果はPhysical Review Letters誌に発表した. (3)PbTiO_3,BaTiO_3と比べて強誘電性の弱いSrTiO_3微粒子を合成し,その表面格子緩和を調べた.その結果,SrTiO_3では,ほとんど格子緩和が生じていないことが分かった.この結果は,ナノ結晶が強誘電性を示すための臨界粒径と表面緩和の間に深い関係があることを示唆する.これについては現在解析中である. (4)強誘電体微粒子に関する本研究に関連して,PbTiO_3微粒子においてこれまで観測されなかった新しい相転移を発見し, Physical Review誌に発表した.
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Research Products
(10 results)
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[Publications] S.Tsunekawa: "Critical size and anomalous lattice expansion in nanocrystalline BaTiO_3 particles"Phys.Rev.B. 62・5. 3065-3070 (2000)
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[Publications] D.S.Fu: "Size-induced phase transition in PbTiO_3 nanocrystals: Raman scattering study"Phys.Rev.B. 62・5. 3125-3129 (2000)
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[Publications] D.S.Fu: "Thickness dependence of stress in lead titanate thin films deposited on Pt-coated Si"Appl.Phys.Lett.. 77. 1532-1534 (2000)
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[Publications] Tomoya Ohno: "Low-Temperature Processing of Pb(Zr_<0.53>, Ti_<0.47>)O_3Thin Films by Sol-Gel Casting"Jpn.J.Appl.Phys.. 39・9. 5429-5433 (2000)
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[Publications] D.S.Fu: "Raman Studies of the Effects of Nb Dopant on the Ferroelectric Properties in Lead Titanate Thin Film"Jpn.J.Appl.Phys.. 39・9. 5687-5690 (2000)
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[Publications] S.Tsunekawa: "Origin of anomalous lattice expansion in oxide nanoparticles"Phys.Rev.Lett.. 85. 3440-3443 (2000)
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[Publications] Hisao Suzuki: "Low-Temperature Processing of Barium Titanate Thin Films by Sol-Gel-Casting"Trans.Mater.Res.Soc.Jpn. 25. 1135-1138 (2000)
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[Publications] 加藤数矢: "金属-シリカガラス複合体のCTR特性"日本セラミックス協会学術論文誌. 109・2. 122-126 (2000)
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[Publications] 太田敏孝: "平坦な誘電率-温度特性を持つBa_<1-X>Sr_XTiO_3傾斜セラミックスの作製"日本セラミックス協会学術論文誌. 109・2. 174-176 (2000)
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[Publications] Toshitaka Ota: "Dielectric properties of BaTiO_3-based ceramics with gradient compositions"Ceramic Transactions. 100. 51-60 (2000)