エルビウムドープファイバレーザのカオス同期とその応用

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650042
• Research Institution: Kyushu Institute of Technology
• Principal Investigator: 今井 洋 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (20151665)
• Keywords: 光カオス / カオス同期 / カオス秘匿通信 / エルビウムドープファイバレーザ

Research Abstract

エルビウムドープ光ファイバレーザを構成する光ファイバリング共振器における出力のダイナミクスを解析した。そこで、出力の安定状態から周期、準周期状態、さらにはカオス状態への移行における共振器長、損失、共振器内カプラの分岐比及びカプラ損失などの共振器パラメータヘの依存性を明らかにした。変調励起入力を想定した場合の励起光パワー、変調率、減衰係数、利得の出力動特性に及ぼす影響についても明らかにした。
次に、これらの動特性をもとに、マスター・スレーブ型及びスレーブ・スレーブ型の二つのリング共振器から成るカオスシステムにおける同期特性を解明した。スレーブ・スレーブ型同期システムにおいては出力のフィードバックがない状態での同期の発生をはじめて明らかにした。また、同期の共振器パラメータやレーザパラメータ依存性を明らかにした。入力パワー差、変調率差、利得係数差、さらには共振器パラメータ差を小さくすることによりより良い同期特性が得られることがわかった。マスター・スレーブ型同期システムについてはスレーブの変調率がマスターより大きく、スレーブの励起光パワーがマスターより小さい領域でよい同期特性が得られることを明らかにした。
スレーブ・スレーブ型同期システムを利用したカオス秘匿通信システムでは、二つのスレーブサブシステム間でパラメータ差を1%以下とすることでメッセージ復号における誤差を10%以下に低減できることを明らかにした。マスター・スレーブ型同期システムを応用したメッセージモジュレーション型秘匿通信においても同様のメッセージ復号特性を明らかにした。

Research Products

• [Publications] Y.Imai, T.Tamura: "Coherence effect on chaos dynamics generated in dual-coupler fiber resonator"Proc. 5^<th> Optoelectronics and Communications Conference. 274-275 (2000)
• [Publications] Y.Imai, T.Tamura: "Chaos synchronization in optical fiber resonator for secure communication"Proc. 6^<th> Optoelectronics and Communications Conference. 566-567 (2001)
• [Publications] Y.Imai, T.Tamura: "Synchronization characteristics of chaos generated in fiber-optic ring resonator"Proc. 4^<th> Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics. II. 386-387 (2001)
• [Publications] Y.Imai, T.Tamura: "Coherence effect on chaos dynamics generated in fiber-optic ring resonator"Optics Communications. 195. 259-265 (2001)