2000 Fiscal Year Annual Research Report
任意スペクトル分布光刺激装置を用いた等色実験装置の開発
Project/Area Number |
12650043
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
中野 靖久 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (40227864)
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Keywords | 任意スペクトル分布光刺激 / 等色実験 / デジタル・マイクロミラー素子 / 測色 / 色彩工学 / 視覚光学 |
Research Abstract |
本研究課題は10月に追加採択となり,この時点から研究に必要な器材の選択・発注作業に入った。現時点では,ようやく必要な器材がそろい,研究をスタートさせた段階であるので,実質的な実績を上げる段階までにはいたっていない。ここでは,現時点での研究の進行状況と今後の計画を述べる。 本研究の今年度の課題は,デジタル・マイクロミラー素子を使って任意分光エネルギー分布を得る装置の試作である。デジタル・マイクロミラー素子は市販のプロジェクタに組み込まれているものを分解して使用する。このため,まず市販のプロジェクタを分解し,その素子がどのように組み込まれているかを分析しなければならない。分析の結果,プロジェクタそのものの機能を生かしつつ,デジタル・マイクロミラー面にスペクトル像を結像し再び合成する光学系が設計可能であることがわかった。白色光源をスペクトルに分解するためには回折格子を用いるが,可視光領域のスペクトル像がうまくマイクロミラー面内におさまるようにするためには,回折格子の格子定数とレンズの焦点距離をうまく設計する必要がある。上記分析の結果,これらの定数も決定し,回折格子を始めとする光学素子もそろったので,これから実際に光学系を組む段階である。また,マイクロミラーのコントロールはプロジェクタの機能をそのまま利用し,コンピュータの画面に濃淡の格子縞を表示しこの画像をプロジェクタに送ることにより行う。したがって,コンピュータはプログラミング用の画面と画像提示用の画面を備えたマルチ・ディスプレイの構成が必要である。現在これらの器材もそろい,これらか制御用のプログラミングに入るところである。 今後は,光学系の作成と制御プログラムの作成作業を完了した後,装置の較正作業に入る。来年度はプロジェクタをもう一台追加し等色実験装置を完成させる予定である。
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