2001 Fiscal Year Annual Research Report
2次元網膜像を3次元空間に次元アップする大脳認識機能の証明
Project/Area Number |
12650045
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 光男 立命館大学, 理工学部, 教授 (30016604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 博之 立命館大学, 理工学部, 助教授 (40278495)
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Keywords | 色の見えのモード / 光源色 / 3D認識 / 次元アップ / 照明認識視空間 |
Research Abstract |
今年度は2つの実験をした。一つは2次元画像を3次元空間として認識できるなら、そこに光源色が認識されるはずとの照明認識視空間に基づく色認識の理論の証明である。もう一つは2次元画像が次元アップゴーグル使用で3次元空間に次元アップされることをそこに提示されたテスト刺激の明度判定によって確認する実験である。実験を始めるに当たってまず装置の改良をした。画像の一部に小さい開口を開け、その後方に無彩色のパッチを置き、それを照明する。照明の強さは被験者によって調節とした。 第一の光源色の演出実験では、2次元画像として横84cm、縦54cmの大きさの夜の風景画を採用した。夜景としたのは照明認識視空間の明るさサイズが小さくなり、光源色が演出しやすいと考えたからである。風景画の中には建物が沢山あり、それらの窓は室内照明によって明るく照らされている。それらの窓の一つをくりぬいて上記の開口とした。被験者は照明された部屋に掛けられたその風景画を見て、つまり通常画像を見る状態でテスト刺激としての開口を観察し、後部の照明の強さを調節し、その窓が光源色つまり光って見えるところに設定する。つぎにゴーグルを使って画像だけが見えるようにし、その状態で同じく光源色に見え始める点を求める。ゴーグルによって風景画が3次元空間として認識されるなら、画像が夜景であるためその点はゴーグルを使わない場合に比べて低い明度のところになるはずと言うのが予測である。結果は予測通りで、通常の画像観察に比べて次元アツプゴーグル使用の場合は明度で2くらい低いところで光源色となった。 第二の実験の前に装置をさらに改良した。すなわち開口の後方のテスト刺激をグレースケールとし、任意の明度のグレースケールをPC制御で直ちに提示できるようにし、実験データの精度向上を図った。実験の視覚刺激として黒の3本の帯で覆われたネッカーキューブを採用した。帯の手前に参照刺激を置き、帯のずっと後方にテスト刺激を置き、その明度を調節して参照刺激の明度に合わせた。これを次元アップゴーグル使用で実行した。もし2次元画像のネッカーキューブが次元アップされて3次元の物体に見えるなら、照明認識視空間の理論によってテスト刺激の明度は低いところに設定されるはずである。結果は明度が約0.5低いことを示しており、次元アップがなされたことを証明している。 本実験を通して、2次元画像でもただそれだけを網膜にインプットすれば次元アップされて3次元空間に認識されることが明らかになった。
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