2001 Fiscal Year Annual Research Report
交通流の数理模型に基づくシミュレータ開発とデータベース
Project/Area Number |
12650065
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Research Institution | Tsu City College of Mie |
Principal Investigator |
杉山 雄規 三重短期大学, 生活科学科, 教授 (20196778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
只木 進一 佐賀大学, 学術情報センター, 教授 (00202169)
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Keywords | 交通流 / 複雑系 / パターン形成 / 相転移 / 分岐現象 / 非線型方程式 / コンピューターシミュレーション / データベース |
Research Abstract |
本研究の目的は、交通流を多体相互作用系の物理的協同現象と捉え、その数理模型によるシミュレーションにより、渋滞発生などの交通流現象の解析を行うと同時にその制御に対する指針を理論的に与えることである。また高速道路からの実測データをデータベースに蓄積し、現実の交通流現象を分析する。それにより交通流が持つ物理的な性質を見出し、非平衡動力学的機構を明らかにすると伴に、その性質をシミュレータ開発に反映する。観測データによる現象を再現し、さらに様々な状況下でのシミュレーション実験を行なうことにより交通流の制御・渋滞発生の抑制の指針を探る。 この研究目的の遂行のため、交通流の数理模型(OV模型)を基礎に、二車線・流入流出部・トンネルの存在する現実的道路状況において交通流の振る舞いを研究するシミュレータを開発し、交通流現象の解析を理論的に進めた。道路公団より様々な渋滞発生箇所10数区域・100地点における5分間隔/1年間に及ぶ大量のデータを取得し、その蓄積と解析ソフトによりデータベースの構築を進めた。これにより1日の速度、密度、流量における渋滞発生・消滅の時間変化の詳細な性質を見出した。特に、走行・追い越し車線で速度・密度についての同期現象を見出した。また、はじめて渋滞の発生・成長・退化までの全体的空間構造を把握した。 さらにITSに向け、渋滞発生を生む交通流の不安定性を抑制する制御理論を与え、擾乱の減衰やエネルギー損失の軽減を定量的に調べた。また、同期現象の理論的説明のため二車線系での現象を調べるため、2次元化したOV模型による粒子流の振る舞いを調べた。 これらの成果発表を第4回国際会議「Traffic and Granular Flow '01」(2001年10月15-17日名古屋大学)にて行い、国内外から100余名の研究者による最新の報告・議論の場を持つた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Sugiyama, K.Hasebe, A.Nakayama: "Soliton solution of exactly solvable dissipative system"Computer Physics Communications. 142. 259-262 (2000)
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[Publications] T.Uchida, S-i.Tadaki: "Congested frow induced by headway measurements"Journal of Physical Society in Japan. 70・6. 1842-1848 (2000)
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[Publications] A.Nakayama, Y.Sugiyama, K.Hasebe: "Effect of looking at the car that follows in an optimal velocity model of traffic flow"Physical Review E. 65. 016112-1-016112-6 (2000)
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[Publications] Y.Sugiyama, A.Nakayama, K.Hasebe: "2-dimensional optimal velocity models for granular flow and Pedestrian Dynamics"Proceedings of International Conference of 'Pedestrian and Evacuation Dynamics (Springer). 155-160 (2000)