2000 Fiscal Year Annual Research Report
Ti合金の高真空中での表面微小き裂進展特性とこれに基づく内部疲労破壊機構の推測
Project/Area Number |
12650066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 孝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30237408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 徹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80001220)
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Keywords | 内部起点型破壊 / 表面起点型破壊 / 超高サイクル疲労 / 疲労限度 / 高真空 / Ti-6Al-4V / 微小き裂 / フラクトグラフィ |
Research Abstract |
本研究は,Ti-6Al-4Vの人工微小欠陥材の高真空中疲労試験により,微小き裂の発生/進展/停留特性を調べ,大気中との違いを明らかにすること,高真空中の表面き裂と内部疲労き裂との類似点・相違点を明らかにすることを試み,内部疲労破壊機構解明への指針を得ることを目的としている.申請した主な実施計画は(1)高真空中での微小き裂進展解析のための疲労試験装置の改造,(2)微小欠陥材の高真空中および大気中でのS-N曲線の取得とその解析,(3)微小欠陥近傍のき裂開閉口挙動の観察と測定(3)SEM破面解析による内部き裂と高真空中の表面き裂の解析,であった.このうち本年度では(1)と(2)の一部を実施した.以下にその概要を示す. 本年度前半では,現有の高真空疲労試験装置に,負荷除荷中のき裂開閉口挙動の観察・測定,き裂の進展速度の計測,試験片温度測定など,疲労特性の定量評価に必要なデータを測定するための改造を試みた.具体的には,真空装置に電流導入端子および各種センサーの組み込みを行ない,試験中のひずみ計測,試験片の温度測定を可能とした.また,疲労試験および計測制御装置の一部をデジタル化し,必要なソフトウェアの開発を行なった.これにより,上記(3)の測定準備を整えることができた.また,同様な制御装置を大気中の試験装置にも組込み,大気中と高真空中での試験を平行して行なうことを可能とし,次年度の実験効率の向上を図った. 本年度の後半には,上記(2)の予備作業として,高真空中疲労試験中の試験片温度測定を行なった.この結果,応力比R>0.1の条件では,試験片温度はほとんど上昇しないことを明らかにした.また,平滑材を用いて大気中と高真空中におけるS-N曲線を取得し,真空中試験による疲労寿命の改善の程度を確認した.以上により,高真空中疲労試験の妥当性を明らかにし,次年度の研究準備を整えた.
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Research Products
(1 results)