2000 Fiscal Year Annual Research Report
テセレーション解析を用いた非局所性損傷状態の評価と異方性降伏関数
Project/Area Number |
12650073
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長岐 滋 東京農工大学, 工学部, 教授 (30135959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 正昭 東京農工大学, 工学部, 助手 (50111638)
|
Keywords | 損傷テンソル / 降伏関数 / 塑性異方性 / テセレーション / ボロノイ多面体 / 非局所性 |
Research Abstract |
金属材料の延性破壊過程で重要な役割を果たす微視的空孔(void)に関して,その発生から成長の過程,ならびに空間的な分布形態を塑性構成関係に反映することが重要だと考えられる.このため,空孔の相互関係を直接的に考慮した非局所性を有する構成関係を損傷力学的な考察から確立するとともに,2次元ないし3次元的なモデル試験片を作成し,実験的に非局所性構成関係モデルの有効性を確認することが本研究の目的であり,本年度は以下の研究を行った. 1.実在材料中の様々な徽視空孔が複雑に分布する状況を,円孔が不規則に分布する2次元平板モデルを用いて理想化する.この理想材料のモデルに対して,すでに申請者らが提案しているテセレーション解析を適用してボロノイ多角形を定め,代表基準セルを求めた.さらに代表基準セルについて損傷テンソル,実質相当応力を求めることにより,多孔平板の損傷状態の評価を行った. 2.手法の妥当性を検討するために,多孔平板について液圧バルジ試験装置による等2軸引張り試験を行った.円孔の変形状態,板厚の減少等の損傷状態に関する実験結果は,実質相当応力の分布とよく対応していることが確認された. 3.等2軸引張りの実験と平行して,多孔平板の有限要素弾塑性解析を行い応力集中の程度等を求めた.有限要素解析結果と比較することにより,提案した実質相当応力を用いる方法はさまざまな負荷経路についても損傷状態の評価が可能であることがわかった. 4.より実在材料に近い3次元モデルについて,ボロノイ多面体を作成し,かつ立体的に表現するために,新たにプログラムを開発した.次年度はこのデータをもとに実際に理想モデルの試験片を作成し引張り試験等によって,提案した手法の妥当性を検討する.
|