2001 Fiscal Year Annual Research Report
力学的および組織的アプローチによるチタン合金の内部疲労破壊機構の解明
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12650079
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
戸梶 恵郎 岐阜大学, 工学部, 教授 (80021616)
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Keywords | β型チタン合金 / 疲労強度 / 二段時効 / 組織 / き裂発生 / 微小き裂成長 |
Research Abstract |
本研究では前年度に引き続いて,β型Ti-22V-4Al合金に種々の条件で二段時効を施した材料から加工された平滑試験片を用いて回転曲げ疲労試験を行い,疲労き裂発生,微小き裂成長および破面解析などに基づいて,疲労強度に及ぼす二段時効の影響について検討した.得られた主な結果を以下に要約する. 1.低温→高温の二段時効材(STDA材)の引張強さは通常の溶体化処理後時効材(STA材)より上昇するが,延性は必ずしも改善されない.それに対して,高温→低温のSTDA材では,STA材よりも引張強さは低く,一段目の時効温度の上昇に伴って低下するが,延性は大きく改善される.特に,一段目の時効温度が二段目の時効温度に近い場合,強度と延性のバランスに優れた組織となる. 2.引張破壊様式は,低温→高温のSTDA材では粒界破壊であるが,高温→低温のSTDA材では全面ディンプル破壊である. 3.一段目の時効温度が二段目の時効温度に近いSTDA材はSTA材よりわずかに低いか,またはほぼ同等の疲労強度を示す.高温→低温のSTDA材では長寿命領域において内部破壊を生じないので,その領域ではむしろ疲労強度はSTA材よりも優れる. 4.疲労比で表した高温→低温のSTDA材の疲労強度は,STA材や低温→高温のSTDA材よりも高く,相対的に優れた疲労強度を示す. 5.疲労き裂は,低温→高温のSTDA材ではSTA材と同様に結晶粒界で,高温→低温のSTDA材では粒内で発生する. 6.STA材では疲労寿命のほとんどがき裂発生過程で,またST材では微小き裂成長過程で占められているのに対して,STDA材では両過程がほぼ同程度の割合を占める. 7.微小き裂成長挙動に時効の有無や時効条件,すなわちα相の析出状態は影響を及ぼさない. 8.STA材で観察された長寿命領域における内部破壊は,二段時効,特に高温→低温の二段時効を施すことによって抑制される.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 戸梶惠郎: "二段時効によるβ型Ti-22V-4Al合金の疲労強度の改善"材料. 50・2. 151-157 (2001)
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[Publications] K.Tokaji: "Mechanical and microstructural considerations to subsurface fatigue crack initiation and associated behaviour in beta titanium alloys"Proc.of the Int. Conf. on Fatigue in the Very High Cycle Regime,2-4 July,2001,Vienna,Austria. 141-148 (2001)
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[Publications] 戸梶惠郎: "表面組織改質したβ型Ti-22V-4Al合金の疲労挙動"第50期日本材料学会学術講演会講演前刷集. 9-10 (2001)
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[Publications] 森 清二: "β型Ti-22V-4Al合金の疲労強度に及ぼす冷間加工の影響"第51期日本機械学会東海支部総会講演会講演論文集. (予定).
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[Publications] K.Tokaji: "Microstructure dependence of fatigue behaviour in beta Ti-22V-4Al alloy"Proc.of the 14th European Conf.on Fracture(ECF14), 8-13 September,2002,Cracow,Poland. (予定).