2001 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡マグネトロンスパッタリング法による強磁性形状記憶合金薄膜の作製
Project/Area Number |
12650093
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小寺澤 啓司 姫路工業大学, 工学部, 教授 (50047594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 尚三 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (50193587)
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Keywords | 強磁性形状記憶合金 / 薄膜 / スパッタリング / 組成制御 |
Research Abstract |
Ti-Ni合金に代表される従来の形状記憶合金を用いたアクチュエーターは、加熱・冷却速度がネックとなり高速駆動が困難であることが最大の欠点と言われている。これに対して、Ni_2MnGaおよびFe-Pdなどの強磁性形状記憶合金は温度変化のみならず磁場によってもマルテンサイト変態が誘起されることが知られており、磁場のon/offによってTi-Ni合金より高速に駆動できるアクチュエーターを構成する材料として期待されている。本研究では、非平衡マグネトロンスパッタリング装置を用いて、実際に形状記憶挙動を示す組成および構造が制御されたFe-Pd形状記憶合金薄膜を安定に合成する技術を確立することを目的とした。 本年度は、2源直流スパッタリング装置を用いてFe-Pd薄膜の作製し、昨年までの合金ターゲットの結果と比較・検討した。まず、Feターゲットへの投入電力を一定とし、Pdターゲットへの投入電力を変化させることによって成長する薄膜の組成制御を試みた。その結果、約1at%の精度で膜中のPd組成の制御が可能であることがわかった。as-deposited薄膜では温度に伴うマルテンサイト変態挙動は認められなかったが、900℃×60min→IWQの溶体化処理を施すと約30at%のPdを含有するFe-Pd合金薄膜は室温においてfct構造となり、40〜50℃の温度領域においてfct-fcc熱弾性型マルテンサイト変態を示すことが明らかとなった。また、剥離した薄膜において、温度に伴う形状記憶挙動を示すことも確認した。これらの挙動は、昨年までの合金ターゲットによる結果と同様であり、薄膜における変態温度がバルクよりも高くなることが確認された。この結果については、2002年3月に開催される金属学会春期大会において発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Inoue: "Deposition of ferromagnetic Fe-Pd shape memory alloy thin films by dcmagnetron sputtering"J. Mater. Proc. Technol., Special Issue in CD-ROM. 177[3]. E08-07.PDF (2001)
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[Publications] S.Inoue: "Shape memory behavior of Fe-Pd alloy thin films prepared by dc magnetron sputtering"Mater. Sci. Eng. A. (Accepted). (2002)