2000 Fiscal Year Annual Research Report
結晶欠陷場の微分幾何学的描像と複雑系の熱・力学に基づく集団転位の自己組織化モデル
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12650095
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
志澤 一之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80211952)
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Keywords | 転位組織 / 固執すべり帯(PSBs) / 複雑系 / 自己組織化 / 空間パターニング / 幾何学的に必要な転位 / ダイポール / 疲労き裂 |
Research Abstract |
結晶欠陥場における転位とダイポールが,非Riemann空間における微分幾何学量であるねじれと曲率に対応していることに着目し,それらを縮約して得られる転位密度と不適合度から,拡張されたGN転位密度(幾何学的に必要な転位密度)およびダイポール密度を定義した.さらに,転位の可動性とダイポールの安定性を考慮し,前述の密度をそれぞれ可動転位密度および不動転位密度として定義した. 次に,2種類の転位密度に対する保存則を定式化し,それを局所化して転位密度の平衡方程式を導出した.また,新たに転位拡散のエントロピー流束を熱力学第2法則に導入し,複雑系としての集団転位場に対するエントロピー不等式を提案した. エントロピー不等式から供給エネルギーを消去してClausius-Duhemの不等式を求め,この不等式が常に満足するように,構成式の保存部分として化学ポテンシャルの構成式を得た.一方,最大エントロピー生成速度の原理より,構成式の散逸部分である転位密度流束ならびに転位反応項の構成式を導出した.その際,転位反応としては,外力によるダイポールの自由化,ダイポールによる可動転位の捕獲のみならず,2個の可動転位のダイポール化過程を新たに導入した.また,可動および不動転位の生成・消滅を詳細に記述し,転位発生項を厳密化した.得られた構成式を転位密度の平衡方程式に適用して,転位とダイポールの相互作用を表わす連立反応-拡散方程式を導き,複雑系の熱力学に立脚した形で集団転位の自己組織化モデルを構築した. 得られた反応-拡散方程式に線形安定性解析ならびに分岐解析を施し,Turing分岐発生条件とPSBラダー構造の空間波長が新たに導入したダイポール化速度に依存すること,ならびに空間パターニングに関する分岐経路が同速度には影響を受けないことを明らかにした.こうして,疲労き裂発生に関するシミュレーションの基礎を築いた.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Shizawa,K.Kikuchi and H.M.Zbib: "A self Organization Model of Collective Dislocations Based on Geometrical Descriptions of Crystal Defects and Thermodynamics of Complexity"Proceedings of Plasticity'00 : the 8th International Symposium on Plasticity and Its Current Applications. 644-646 (2000)
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[Publications] 菊池完人,志澤一之: "結晶欠陥場の幾何学的描像と熱・力学に基づく集団転位の自己組織化モデルと分岐解析"日本機械学会2000年度次大会講演論文集. I・00-1. 39-40 (2000)
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[Publications] 志澤一之,森田洋平,菊池完人: "転位生成・消滅・反応を考慮した集団転位の自己組織化モデルの一般化"日本機械学会第13回計算力学講演会講演論文集. 00-17. 541-542 (2000)
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[Publications] 山木学,志澤一之: "転位組織形成モデルに基づくひずみ効果および背応力を考慮した結晶塑性論"日本機械学会第13回計算力学講演会講演論文集. 00-17. 543-544 (2000)
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[Publications] K.Shizawa,K.Kikuchi and H.M.Zbib: "A Strain-Gradient Thermodynamic Theory of Plasticity based on Dislocation Density and Incompatibility Tensors"Journal of Materials Science and Engineering. (発表予定). (2001)