2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織の力学的適応制御に関する研究-繰返し負荷に対する微細構造レベルでの反応-
Project/Area Number |
12650102
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 憲隆 立命館大学, 理工学部, 助教授 (40210546)
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Keywords | バイオメカニクス / 生体組織 / 力学的適応 / 微細構造 / 腱 / コラーゲン線維 / 力学的性質 |
Research Abstract |
微分干渉顕微鏡を用いてコラーゲン線維束の微細構造を観察しながら引張試験を行うことができる生体外負荷試験装置を用いて,ラットより摘出した尾腱やその線維束に生体外で種々の負荷を作用させ,力学的性質や微細構造の変化について検討した.その結果,以下のことが明らかになった. 1.無負荷の状態では,クリンプパターンと呼ばれるコラーゲン線維が波打った状態が観察できた.荷重-変位曲線がほぼ直線となる領域では,コラーゲン線維が平行にますぐに引き伸ばされる様子が観察された.荷重が急激に低下する少し前から微細なコラーゲン線維の破断が始まることが明らかになった. 2.引張強度の50,70,90%の負荷を線維束に作用させた後,除荷し,再び破断するまで引張試験を行うと,負荷の増大に従って引張強度が有意に低下した.この強度が低下した線維束の顕微鏡画像では,部分的にコラーゲン線維が破断している様子が観察された. 3.尾腱は2,3本の線維束がより合わされた構造をなしていることが顕微鏡観察により確認できた.また,尾腱の引張強度は線維束の引張強度よりも大きかった.これらのことから,尾腱において線維束がより合わされた状態で引張られると,線維束に横方向の力が作用して引き絞られ,コラーゲン線維間での摩擦などの相互作用が大きくなり,引張強度が増大すると考えられる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山本憲隆,岡田沙織: "運動負荷に対するラット膝蓋腱の適応限界"日本機械学会2000年度年次大会講演論文集(II). 241-242 (2000)
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[Publications] 井川英志,山本憲隆: "マウスより摘出した尾腱とそのコラーゲン線維束の力学的関係"日本機械学会第11回バイオエンジニアリング学術講演会・秋季セミナー講演論文集. 75-76 (2000)
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[Publications] 山本憲隆,田中充: "画像処理によるマウス尾腱より摘出したコラーゲン線維束の破断解析"第21回バイオナカニズム学術講演会. 455-456 (2000)
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[Publications] 山本憲隆,田中充: "マウス尾腱より摘出したコラーゲン線維束の微細構造と破断特性"日本機械学会第13回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 52-53 (2001)