2000 Fiscal Year Annual Research Report
研削液の動圧を利用した外周刃ブレード刃先のアクティブ制御
Project/Area Number |
12650106
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
水野 雅裕 岩手大学, 工学部, 助教授 (40239249)
|
Keywords | 外周刃ブレード / ブレードのたわみ / たわみ計測 |
Research Abstract |
外周刃ブレードによるスライシング加工では,加工中に生じるブレードのたわみが切断精度に影響を与える主たる要因となっている.ブレードのたわみは様々な要因によってもたらされるため,それらを完全に排除することは困難である.したがって,ブレードのたわみをスライシング加工中にアクティブに制御するシステムの開発が必要である.本研究では,外周刃のたわみをアクティブ制御する実験装置のメカ部の設計・製作および制御装置の設計・製作を行った.外周刃ブレードのたわみを制御するためには,ブレードのたわみ量を計測する部分とたわみをアクティブに変化させるアクチュエータ部が必要である.ブレードのたわみ計測には直径2mmの渦電流式変位センサを用いた.また,アクチュエータとしては圧電素子を使用し,その先端にブレードガイドを設けた.ブレードのたわみは,このブレードガイドにより,研削液の膜を介して非接触で変化させられるようにした.変位センサおよびブレードガイドはリニアガイドによる剛性の高いスライドテーブルに固定し,ブレードの着脱が容易に行えるようにした.制御装置はノート型パソコンとIOカードおよび制御ボックスから構成される.制御ボックスには,渦電流式変位センサからの出力を増幅するためのアンプと高周波成分をカットするローパスフィルタおよび圧電素子を駆動するためのアンプが内蔵されている.IOカードにはDA変換器とAD変換器が内蔵されており,それぞれ,渦電流変位センサからの出力の読み込み,圧電素子への駆動電圧の出力に用いている.システム全体を制御するソフトウエアの開発にあたっては,圧電素子を駆動する際の非線形性が補正されるように配慮した.
|