2000 Fiscal Year Annual Research Report
多機能知能化プレス成形機を用いた電気・電子機器用微小金属箔部品の精密成形
Project/Area Number |
12650117
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
丸茂 康男 熊本大学, 工学部, 助教授 (90199927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濟木 弘行 熊本大学, 工学部, 教授 (40023238)
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Keywords | 深絞り加工 / 金属箔 / 精密成形 / 知能化 / 微小部品 / しわ抑制 / 破断抑制 |
Research Abstract |
(1)小さな寸法形状の製品加工に適用可能な試験機を設計し試作した.工具の移動量はレーザー変位計で計測され,荷重は自作のロードセルで計測できるようになっている.これらの信号はデータ計測装置を介してコンピュータに取り込まれるようになっている.工具移動は,コンピュータに内蔵されたGP-IBボードおよびコントローラーを介して制御される.この制御には,Visual Basicで作成したプログラムを用いた.この試験機は,金属箔部品の深絞り加工の最適化に重要となる工具と被加工材料間の摩擦の高精度試験にも利用できる多目的試験機となっている. (2)ニッケル箔およびチタン箔の深絞り性に及ぼす重ね板の影響を検討した.金属箔製品のしわ抑制および破断抑制には重ね板の変形抵抗が重要となる.金属箔の変形抵抗に応じてしわおよび破断抑制に最適な重ね板の変形抵抗値が存在する.しわ押さえ板側の重ね板の変形抵抗が最適値より小さいと金属箔製品にしわが残留する.最適値より大きいとしわの抑制には効果的であるが破断を引き起こしやすい. しわ押さえ板側の重ね板は,金属箔とともにダイス穴に引き込まれるので,可変形の深絞り工具といえる.金属箔を深絞る場合,ダイス,金属箔,しわ押さえ板の接触状態がフランジ部において均一であればしわは生じにくいが,工具製作,工具組み立てにおける誤差などで必ずしも接触状態は均一ではない.重ね板は変形することで,この不均一さを解消する役割を果たす. (3)超音波計測を利用して,工具および被加工材料の接触状態を調べた.工具および被加工材料接触界面の潤滑膜厚さの理論的な解析を行い超音波計測実験の結果と比較検討した.この結果,超音波周波数,潤滑膜厚および超音波反射強度の間の関係を見出すことができた.
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