2000 Fiscal Year Annual Research Report
空気静圧スラスト軸受面形状の工夫による傾き剛性の向上
Project/Area Number |
12650120
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大石 進 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70094258)
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Keywords | 空気静圧スラスト軸受 / 軸受面 / 傾き剛性 / 有限要素法 |
Research Abstract |
空気静圧スラスト軸受の剛性については,設計原理の確立や高精度加工技術の発展によって,並進変位に関する剛性は著しく向上してきている.しかしながら,偏心荷重によって生じる傾きに関する剛性(傾き剛性)は低い.これは,そもそも静圧軸受の原理に起因するものである.すなわち,静圧軸受では軸受すきま内の圧力は,軸受すきまに流入する流量とすきまから流出する流量の釣り合いによって決まり,流出流量はすきま内の圧力勾配とすきまの大きさの関数ですきまに対して敏感であるから,軸受が傾いてすきまが大きくなればなるほど流出流量が多くなり,供給圧が一定の場合には,給気孔から流入する流量が流出流量と釣り合うためにはすきま内の圧力勾配は小さくならざるを得ない.したがって,圧力ひいては復元モーメントは減少し,高剛性が望めない.よって,高剛性化をはかるには,傾いて流出流量が増加してもそれに見合う流入流量を供給圧を増加させることによって実現するか,傾いても流出流量の増加が少ない軸受面形状とするか,の二通りの方策が考えられる.前者は給気孔ひとつひとつの供給圧を制御することになるからコスト高となる.これに対し後者の軸受面形状の工夫によって実現できれば実用的である. そこで本研究では後者の方策に着目し,有限要素法を用いて軸受面形状が傾き剛性に及ぼす影響を検討し,自成絞りと表面絞りの複合絞り,山形のすきま形状,谷形のすきま形状について,有限要素法による数値解析とこれを実験的に検証するための軸受の試作・測定を行った.結果としては,3者のうち複合絞りの場合が傾き剛性が最も大きく,現在はこの複合絞りで排気溝をどのような大きさでどのような位置に配置すべきかの検討を行っている.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Susumu Ohishi,Katsutoshi Tanaka,Tetsuya Masada: "Effects of Bearing Surface Geometries on the Inclination Stiffness of Aerostatic Thrust Bearings"10the International Conference on Precision Engineering. (2001)