2001 Fiscal Year Annual Research Report
厚板材から絞りカップを用いた塑性加工法による歯車の試作
Project/Area Number |
12650126
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内田 幸彦 日本大学, 理工学部, 教授 (70059286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 倫彦 日本大学, 理工学部, 講師 (60229185)
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Keywords | 鍛造加工 / 分流鍛造法 / 加工荷重低減 / 充填率向上 / FEM |
Research Abstract |
歯車は主として切削加工により製作されてきた。これを塑性加工法により成形できれば、歩留まりやコストが安価になる。そのため最近では冷間塑性加工法による平歯車やはすば歯車の成形に関する多くの研究が行われている。しかし、平歯車の成形は、円柱ビレットを素材としているので、大径の歯車では、成形荷重が高くなりすぎて成形が困難である。そこで今までにほとんど行われていない大径の歯車にも対応可能である厚板材を素材とした新しい試みを平成12年度より行ってきた。その新たな試みは、分流鍛造法を適用して金型の歯型部への充填率を向上させながら加工荷重の低減させるものである。アルミニウムA1050材を用いた実験により、加工荷重を従来の方法よりも20%程度低減できることが分かった。さらに低炭素鋼(SPHC)を被加工材とした金型の設計を行い、冷間加工で成形することができた。実験結果およびFEM解析(DEFORM3D)より、パンチの成形方向で歯形側面部に分流させると荷重の低減効果が大きいこともわかった。この荷重低減効果は、パンチ加工方向と同じ向きに分流させた場合の方がパンチ方向と垂直な方向に分流させた場合よりも高かった。また、分流させる箇所に関しては、加工の最後に充填する部分に近いところに分流させる「逃げ穴」もしくは「捨て軸」を設けるた方が、加工荷重の低減率が高かった。低炭素鋼の実験でも工具面圧を実用的な範囲に収めることができた。得られた平歯車はJIS5級程度の精度を有しており、本研究で提案した加工方法を行なった後、表面処理などを施せば良好な製品が得られることが分かった。
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Research Products
(1 results)