2000 Fiscal Year Annual Research Report
自動車用タイヤの長寿命化を目指したスチールコードの耐圧縮性改善
Project/Area Number |
12650135
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
飯塚 博 山形大学, 工学部, 助教授 (90142215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀雄 木更津工業高等専門学校, 助教授 (50179511)
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Keywords | タイヤ / スチールコード / ゴム系複合材料 / 座屈破壊 / 屈曲疲労 / 圧縮剛性 |
Research Abstract |
1.スチールコードの圧縮剛性 スチールコードは,それ自身が撚ったスチールファイバとゴムの複合材料になっている.このスチールコードの圧縮剛性をFEM解析によって計算した.その結果,圧縮剛性にはワイヤのみの剛性だけでなく,コード中心部に位置するゴムも大きく影響することがわかった.つぎに,このスチールコードの力学モデルについて検討した.そして,スチールコードの変形は以下の3条件を満たしながら生じるが分かった.(1)スチールワイヤ長さ,コード長さ,およびワイヤピッチ円円周長さの間に成立するピタゴラスの定理.(2)コード中心部ゴムの非圧縮性.(3)ワイヤの弾性変形.これらの条件を連立させて解くと,コード剛性が算出できる. 2.スチールコードとゴムの複合材料の圧縮疲労 タイヤにはこのスチールコードがゴム中に挿入されて複合材料板として使用されている.そこで,横浜ゴムにてその複合材料板の圧縮疲労試験を実施し,その破損試料を観察した.その結果,破損発生位置はスチールワイヤが座屈した領域であり,スチールワイヤはワイヤ軸に直角に疲労破壊していることが分かった. 3.スチールコードの屈曲疲労試験 東京製綱で作製したスチールコード1本をゴム中に挿入した試料の屈曲疲労試験を行った.その結果,その破損は2.の実験で生じた形態と類似のものであった. 以上の結果から,スチールコードとゴムからなる複合材料板の破損は座屈によって生じるが,直接の破壊機構は,屈曲疲労であることがわかった.今後は,スチールコードとゴムの複合材料板としての座屈強度がどのような幾何学因子の影響を受けているのかを力学的に解明することが重要となる.
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[Publications] 林章紀,橋詰潤,飯塚博,高橋秀雄: "自動車タイヤ用撚りコードの圧縮剛性"日本機械学会,東北支部多賀城講演会前刷集. No.001・2. 63-64 (2000)
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[Publications] 飯塚博,太田勝祥,水野高秀,大迫信隆: "撚りコードの耐屈曲疲労性の改善"日本機械学会,2001年度年次大会講演会前刷集. (発表予定). (2001)