2001 Fiscal Year Annual Research Report
打撃圧痕法による瞬間的高圧条件下の潤滑油レオロジー研究
Project/Area Number |
12650145
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大野 信義 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039265)
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Keywords | トライボロジー / 打撃圧痕 / 潤滑油 / トラクション油 / 国化 / レオロジー / 高圧 / 接触角 |
Research Abstract |
本研究成果の一部は平成12年10月29日〜11月2日長崎で開催された国際トライボロジー会議で公表した.その際,国内外の研究者から注目を集め,多くの質問・建設的な意見の交換が行えたが,界面化学特性については言及していなかった今年度は出光興産(株)から合成ナフテン油3種,ポリブデン3種,シリコーンオイル2種と界面特性の大きく異なる潤滑油を提供頂いた.まず,高圧物性の測定結果ならびに潤滑油の固化現象がEhrenfestの関係式で説明できることを平成13年11月宇都宮で開催されたトライボロジー会議で報告した.また,昨年度までは打撃圧痕をレーザー変位計(平成12年度購入)で検査するいわゆる考古学的手法で,瞬間的高圧条件下のレオロジー特性の推定を試みていたが,本年度は打撃時のAE(アコースティクェミッション)波形も同時観測することで,さらなる情報が得られることが分かりつつある.この結果と本年度購入した接蝸角計で計測した界面化学特性に及ぼす分子構造の影響の結果については平成14年5月開催のトライボロジー学会で発表予定である. 平成13年9月Viennaで開催された第二回世界トライボロジー会議で自動車搭載用トロイダルCVT実機の運転条件においても,トラクション特性の基礎となるのは潤滑油の状態図であることを報告した.この結果は世界トライボロジー会議のハイライトとして本年ドイツで出版される.また,平成14年1月Stuttgartで開催された第13回国際トライボロジー会議では,トラクション特性に最も関与するオイルの機械的性質が体積弾性係数であることも招待講演として報告した. なお,平成13年度日本トライボロジー学会論文賞受賞の報を平成14年1月28日に頂いた.対象論文は「高圧密度計測に基づく潤滑油の高圧粘度の予測」トライボロジスト,第44巻7号,560〜566(1999).で本研究の基礎となる論文である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nobuyoshi Ohno: "Effect of the Base Dil Viscosity of Lithium Saap Greases on Life of Thrust Ball Bearings"Japanese Journal of Tribology. 43・12. 1545-1556 (2001)
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[Publications] Nobuyoshi Ohno: "High Pressure Rheology Analysis of Traction Oils Based on Free Volume Measure ments"Lubrication Engineering. 57・7. 16-22 (2001)
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[Publications] Nobuyoshi Ohno: "Tractional and Rheological Properties of a Half-Toroidal CVT Fluid"2^<nd> World Tribology Congress ISBN 3-901657-09-6. 1-4 (2001)
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[Publications] Nobuyoshi Ohno: "Prediction of Liquid Lubricant Viscosity at High Pressure from the Density Measure mets"Japanese Journal of Tribology. 44・4. 377-388 (2001)
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[Publications] Nobuyoshi Ohno: "Bulk Modulus and Poisson's Ratio of Traction Fluids at High Pressure"Lubricants, Materials, and Lubrication Engineering(13th ICT) ISBN 3-924813-48-5. Bd・3. 1859-1864 (2002)